階層別教育のご提案

公開セミナー・講師派遣

通信教育・オンライン

DVD・テキスト他

なぜ、変革が難しいのか

2022年2月21日更新

なぜ、変革が難しいのか

業種・業態を問わず、今、多くの企業・組織で変革が求められています。しかし、期待以上の成果をあげた変革事例は少ないのではないでしょうか。なぜ、変革がうまくいかないのか、本稿では、その要因を明らかにしたうえで、成功するためのポイントについて考えてみたいと思います。

INDEX

変革とは

一般的に、変革とは「物事を根本から変えて新しくすること。また、変わって新しくなること(※1)」と定義されています。PHPゼミナールでは、経営活動における変革を「市場(顧客)に新しい価値を提供すること」と定義づけています。
変革によって、自社や自分たちの仕事の貢献度が上がり、事業や組織を存続させることができます。世の中が変化しないのなら変革は必要ないかもしれません。でも、社会環境がこれほど激しく、かつ速く変化する状況下では、変革を怠ると事業の存続が難しくなるのは自明です。

危機意識をもつことの難しさ~自動車業界の管理職

100年に一度の大変革期にあると言われる自動車業界。当然、その業界で仕事をしている人たちはみなそのことを理解していますが、だからといってすべての人が変革のための行動をとっているわけではありません。
昨今、全国のカーディーラーや自動車部品メーカーからの研修依頼が増えていますが、その依頼内容の多くが「管理職の意識改革」です。将来的に大きな変化が起きることはわかっているけれど、今すぐ何かが変わるわけではないので切迫的な危機感がない。その結果、日々の業務を処理することに汲々として、変革の推進者としての役割を担いきれていないリーダーが多いというのです。
事ほど左様に、人が危機意識をもって本気になるのは簡単なことではありません。危機意識を醸成することの難しさが、冒頭で述べた変革が思うように実現しない原因の一つといえます。

 

「ペイン・プレジャー・マトリクス」~変わる喜び、変わらない痛み

変革を成功に導くためのツールとしてよく知られているフレームワークに「ペイン・プレジャー・マトリクス」(※2)があります。このフレームワークは、変化するか否かによって、どのような状況がもたらされるかを図式化したものです。
図表のAのマトリクスは、変わることによって組織構成員が痛みを感じる領域です。Bは、変わることによって喜びを感じる領域。Cは、変わらないことによって痛みを感じる領域。Dは、変わらないことによって喜びを感じる領域です。

 ペイン・プレジャー・マトリクス

4つのマトリクスを対角線にあるものどうし組み合わせ、その関係性を比較したときに、
A+D > B+C
の状況であれば変革は起きません。変革が起きるのは、組織が
A+D < B+C
状況にあるときです。
つまり、「このままじゃまずい」「変わればよいことがある」という思いや意見をもつ人が増えれば増えるほど、変革が前進するのです。

変革のステップ

最後に、「変革をやり抜く5つのステップ」(※3)をご紹介します。

ステップ1.危機感(変わらないことによる痛み)を醸成する
ステップ2.強力な変革推進チームをつくる
ステップ3.ビジョンと戦略(変わることによる喜び)を構築し、落とし込む
ステップ4.短期的成果を意図し、実現する
ステップ5.新しい方法を組織文化に定着させる

5つのステップを踏みながら、変革の気風を組織内に漲らせるのですが、大切なことは対話の量と質です。したがって、変革推進の役割を担うリーダーには、組織構成員を巻き込んで地道な対話を重ね、
A+D < B+C
の状態を組織の中に作っていくことが求められているのです。

※1 広辞苑の定義
※2 経営コンサルタント 船川淳志氏が考案したフレームワーク
※3  John P. Kotterの提唱する8ステップをPHP研究祖で解釈・整理し直した

管理職(マネジメント)研修・教育TOPへ

的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

新着記事管理職(マネジメント)研修・教育

  • 部長研修 部長力強化コース(公開セミナー)
  • 部長・課長のための人間力強化コース(公開セミナー)
  • 課長研修 マネジメント革新コース(公開セミナー)
  • 係長研修 行動革新コース(公開セミナー)
  • PHPコーチング研修(公開セミナー)
  • 中原淳監修「フィードバック実践研修」(公開セミナー)