新入社員研修のレポート(報告書)の書き方。押さえるポイントやテンプレートを紹介
2022年2月10日更新
新入社員研修のレポート(報告書)の書き方をご紹介します。新入社員は、受講後のレポート(報告書)作成が学びの振り返りになり、知識の定着にもつながります。また、人事部の教育担当者や講師にとっては、実施後のレポートが次年度の改善につながります。本記事では、研修レポートを書く目的や書き方のポイント、記入項目、テンプレートもご紹介します。
新入社員研修のレポート(報告書)を書く目的
新入社員研修のレポートには、受講者が書くものと、研修を実施した人事担当者や研修講師が書くものがあります。また、それぞれに、書く目的や役割、書くべき内容、注意点があります。
レポート作成は、研修を振り返る手法のひとつ
新入社員研修のレポートは、研修を振り返る手法のひとつです。新入社員にとっては、研修で学んだ内容の振り返りと定着に欠かせませんし、研修を実施する人事担当者や講師にとっては、次年度以降の研修の質を高めるために必ず作成しておきたいものです。研修レポートがあれば、教育担当者が変わったとしても、今年度の研修でどのような成果が得られ、次年度に改善すべき点はどこかを確認できるというのが大きなメリットになります。
新入社員研修の振り返りのための手法には、レポートのほかに以下のようなものがあります。
・アンケート
・テスト
・プレゼンテーション
アンケートは、研修の振り返りによく使われる方法です。研修を実施する側が用意した質問に答えるというものですから、研修受講者にとっては大きな負担にならないことがメリットです。研修後だけでなく、研修前にも実施すれば、新入社員が研修を受けてどのような学びを得たかを確認することもできます。
テストの実施は、研修によってどの程度の知識を習得できたかを端的に確認できる方法です。研修後に行うことで研修の成果がすぐにわかり、研修後にテストがある、ということで、新入社員が研修を受ける姿勢も、より真剣なものになることが期待できます。
プレゼンテーションは、新入社員が研修で学んだことを資料にまとめ発表する方法です。新入社員は、資料をまとめる過程で、学習内容を振り返ることができます。また、わかりやすい資料を作る、相手にうまく伝えるなど、プレゼンテーションのスキルを高める効果も期待できます。
新人に受講レポート(報告書)を書いてもらう目的
新入社員にレポートを書いてもらう目的は、研修での学びを振り返り、知識の定着を図って実践へとつなげていくことです。レポートを作成する過程で、自分ができたこと、できなかったことを振り返り、実際の仕事ではどうすればいいのかを自ら考えることによって、今後の行動に活かすことができます。また、学んだ内容を思い出し、理解を深めることもできます。つまり、研修レポートの作成は、新入社員の成長をぐんと促進することになるのです。さらに、レポートの作成そのものが、研修で学んだビジネス文章作成についての復習にもなるでしょう。
人事教育担当者、研修講師がレポート(報告書)を書く目的
人事部の教育担当者や研修講師がレポートを作成する目的は、先述したように、研修の振り返りです。人事教育担当者は、研修の成果を検証して経営層に報告するとともに、改善すべき部分を検討して次年度の実施に活かします。また、研修講師がレポートを書く場合は、インストラクションの内容を振り返ることによって、講師としてのスキルを磨く機会になるでしょう。
新入社員研修 受講レポート(報告書)の書き方【新入社員】
ここからは、新入社員と、人事部の教育担当者・講師について、レポートの書き方を具体的に紹介します。
まず、新入社員にレポートを書いてもらう際は、あらかじめ記入すべき項目を備えたフォーマットを用意し、作成してもらうとよいでしょう。配布の際には、記入にあたっての注意点を伝えておきましょう。
主な記入項目
新入社員が研修後に書くレポートは、基本的に以下の項目を記入します。
・作成日
・作成者の氏名
・研修名
・研修日時・場所
・講師名
・研修内容
・研修の項目ごとに、理解できたことや学びとなったことなど
・全体の感想など
項目によって、選択式や記述式などを指定します。また、上記以外にも、特に確認しておくべき項目があれば、あらかじめフォーマットに盛り込んでおくといいでしょう。
「研修内容」については、実際に学んだ研修項目を記入し、項目ごとに「理解できたこと、学びとなったこと」を記入してもらうと、新入社員の振り返りにつながるでしょう。「全体の感想」は、本人にとってどの程度の気づきが得られたのかを測る重要な部分ですから、より具体的に書いてもらう必要があります。「研修の内容を今後の仕事にどう活かしていくか」についても書いてもらうと、より参考になるでしょう。
記入にあたっての注意点:学びや気づきを具体的に書く
レポートの記入にあたっては、単に研修の内容をまとめる、というだけではなく、自分にとって、どのようなことが学びになり、気づきを得られたかについて書いてもらうことが重要です。また、レポートを読む側に、その内容が伝わるよう、正しくわかりやすい文章を書くことが大切です。
書き方の注意点としては、まず、文章は結論から先に書くこと。冒頭に結論を置き、そのあとに結論に至るまでの経緯や理由について書いていきます。必要なことを、簡潔にまとめて書くように伝えておきましょう。句読点の使い方や、誤字脱字がないか、言い回しなどが適切かなども、注意する必要があります。
読みやすいレイアウトになっているかどうかも、考える必要があります。適度に改行を入れるなど、全体のバランスを整えます。箇条書きにする、表を用いるなどの工夫をすれば読みやすいレポートになるということを、記入前に伝えておくといいでしょう。
研修レポートは、A4用紙1枚におさまる量にまとめてもらいましょう。記入項目の漏れがなように、決められた分量にまとめる、というのも、新入社員にとってはビジネス文書作成のスキルを習得することにもつながります。
テンプレート
新入社員用の研修レポート(報告書)のテンプレートをご紹介します。これを参考にして、会社の目的に合わせたフォーマットを作成しましょう。
新入社員研修レポート・報告書の書き方【人事部/講師】
人事部の教育担当者や講師が作成する研修レポートについて、書き方を具体的にご紹介します。前述のように、レポートを作成する目的は、研修の振り返りです。研修の成果を検証して経営層に報告するとともに、改善すべき部分を検討して次年度の実施に活かします。先にご紹介したアンケートやテストなどを実施し、その結果を踏まえたレポートにするとよいでしょう。
主な記入項目
人事教育担当者や講師が作成する研修レポートの主な項目は、以下の通りです。
・作成日
・作成者の氏名
・研修名
・研修日時・場所
・研修参加者
・講師名
・研修目的
・研修内容
・成果
・成果測定の方法
・総括
記入の注意点:研修成果を明確にする
人事教育担当者や講師が作成する研修レポートは、研修成果が得られたかどうかを明確に記述することが大切です。それにより今後も同じ内容で研修を継続するか、あるいは、どのように改善していくかを検討することになります。
研修成果を測定するためには、実施の目的を明確にしておくことが不可欠です。特に、新入社員研修では、研修によって何を身につけさせたいかを明確にし、研修後に目指す姿を具体的に描いておきましょう。研修後は、受講者アンケートで研修の前との意識の変化、テストで知識の定着度を確認し、新入社員のレポートにより、本人たちの気づきや学びを確認します。
たとえば、受講者アンケートでは、「研修のテキストがわかりづらかった」「覚えることが多いので、時間が足りない」といった意見が出てくるかもしれません。対処すべき改善点があればレポートにも記入し、改善策を検討する必要があります。
また、研修前後の一連の取り組みだけでなく、新入社員が現場に配属された後、仕事に取り組むうえで研修での学びが実際に活かされているかどうかも押さえておきたいところです。現場での状況は、新入社員の上司や先輩などへの聞き取りで確認することができます。問題点は次年度に活かしていきましょう。
「総括」の部分では、成果測定の結果を踏まえ。自分の考えを記述します。次年度以降の実施について、どのように実施していくのかを記入するとよいでしょう。
研修レポート(報告書)のテンプレートをご紹介します。これを参考にして作成を進めていきましょう。