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オンライン研修の進め方 4つのポイント

2020年5月28日更新

オンライン研修の進め方 4つのポイント

Zoomなどを使ってのオンライン研修が増えてきました。インハウスで実施する場合の、進め方のポイントを4つに絞ってご紹介します。

リモート会議は時間の浪費?

企業のタイムマネジメント研修で、受講生のみなさんに「時間の無駄を“時間ドロボウ”といいますが、その例を挙げてください」と質問をしました。すると、探し物をするとか、メールの整理ができていない等に加えて「リモート会議」を挙げた方が大勢いました。
そもそも効率化のためのリモート会議のはずが、時間ドロボウになってしまうのは問題です。そうならないためには、安易にリモート会議で参加者を集める管理者側の意識を変える必要があるのではと思います。在宅勤務になってから、やたらにリモート会議が増えたという声も少なくありません。それだけ手軽に会議ができるようになっていますが、その手軽さは時間ドロボウになるというリスクもはらんでいるのです。
リモート会議と同じく、オンライン研修は受講生を集めずに自宅で研修ができるので、便利・手軽ではありますが、そうしたメリットだけに注目すると、オンライン研修が孕む危険性を見落としがちです。

オンライン研修の進め方 4つのポイント

オンライン研修で学びを深める、成果を上げるためには、どういったことに気を付ければいいでしょうか。ここでは、私が講師としてオンライン研修を実施した際に気づいたことをご紹介したいと思います。人事部門のみなさんが講師になって社員を対象にオンライン研修を実施する、あるいはこれから始めようという場合に、ぜひ役立ててください。

(1)規律を緩めすぎない

Zoomなどを使って受講生(社員)が自宅などから参加するオンライン研修では、まず「規律を緩めすぎない」ことが大切です。特に自宅からの参加ということですと、どうしても研修会場に集まっている時のような緊張感がなくなりがちです。ですので、まずは、画面に映るのは上半身だけであるにしても、服装はビジネスカジュアルでと事前に伝えておきます。
また、自宅では子どもや配偶者が、映像や音声に入ってくるということがあります。当事者も周りの受講生にも集中して研修を受けてもらうという意味で、事前に家族に知らせて協力してもらえるようにするといいでしょう。
また、研修中は勝手に抜け出すのは禁止、というような「オンライン研修のルール」を決めるなどして、事前に受講生に徹底しておきましょう。

(2)講義は短く、ペアやグループでの討議をいれる

講義は長くても20分くらいにしましょう。講師役の人が連続して話をするのではなく、受講生に実施してもらう作業、ペアあるいはグループで話すような時間をとるといいでしょう。そして、休憩を入れることを意識しましょう。
休憩時間は、進行プログラムに関わらず、そのつど「あと10分で休憩に入ります」「連絡は休憩の時にお願いします」とあえて声に出して受講生に伝えることが大切です。リモートでなければそこまでしなくてもいいのですが、なかには自宅からの受講で、リラックスしすぎる人がいるので、適度な緊張を意識させる意味もあります。
私の場合は1クラス20名前後でオンライン研修を実施することが多く、このくらいの受講生の人数ですとグループワークでも目が行き届きますし、万一、受講者が所要で一時的に抜けてもコントロールできます。

(3)グループ討議には適度に介入する

グループ討議の場合、講師が適度な介入を行いたいものです。「どうですか?」くらいでもいいですし、他の受講生の発言をよく聞いてコメントする手本を示すといったことも効果があります。
ただ、5人くらいのグループで討議をしているときに、いきなり講師役、たとえば人事部長といった人が入ってくると、受講生はとまどって話をやめてしまいます。「今日の講師の○○です。少し参加させてください」などと挨拶しておきましょう。あえて声に出すことが大事です。静かにグループに入って黙っているのは不気味なものです。リモートであっても、いきなりグループワークに入り込むのは禁物です。

(4)受講生の名前を呼ぶ

インハウス研修では受講生(社員)の名前がわかっていることが多いと思いますので、質問を投げかけるときには「○○さんの意見は?」「△△さんはどう思いますか?」と名前を呼びかけることが大切です。「部長が名前を呼んでくれた」というのは、受講生の参加意識を高めることにもつながりますから、ぜひ心がけたいものです。
また、名前を呼びかけることで、緊張感を持続させるという意味もあります。受講生は、自宅のリビングであまり緊張せずにただ聞いているのかもしれません。メリハリをつけるためにも、名前を呼んで質問をする必要があります。
最近のテレビ番組では、コメンテーターやタレントがリモートで出演するという場面を見かけることがありますが、MCが呼びかけないで話すと「誰に話しているのか?」と混乱する場面があります。企業の研修でも講師役が気を付けたいところです。

今後、オンライン研修は、ますます実施する機会が増えていくように思います。講師役の皆さんには、これらの点に気を付けて、成果の上がる研修をしていただければと思います。

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松本幸夫(まつもと・ゆきお)
人材育成コンサルタント。1958年、東京生まれ。「最短でできる人をつくるプロ」として、最前線を走り続けている。マスコミや流通、通信、製薬、保険、電気、金融、食品といった業界で指導を行い、営業をはじめとするあらゆる職種のプロを育成することに定評がある。自らスピード仕事術を実践。年間220回の研修、講演活動を行い、そのリピート率は92%を超える。NHKなどのテレビ出演も精力的にこなす。ベストセラーとなった『とにかく短時間で仕事をする!コツ』(スバル舎)、『仕事が10倍速くなるすごい!法』(三笠書房)、最新刊『仕事のできる人が絶対やらない質問の仕方』(日本実業出版社)など著書は220冊を超える。

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