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働く人の成長につながる学びの方程式とは?

2021年11月29日更新

働く人の成長につながる学びの方程式とは?

変化の時代をよりよく生きるためには、人は常に学習を通じて成長し続けなければいけません。しかし、一般的な傾向として、成長に対する誤った認識をしているが故に、学習をしても思うように成長につながらないケースも少なくないようです。そこで、自らの成長につながる学習の仕方について考えてみたいと思います。

INDEX

成長に関する誤解~知識の獲得だけで充分?

学習の機会・形態にはさまざまなバリエーションがあります。自己啓発の一環で読書をする、資格取得にチャレンジする、あるいは会社がお膳立てをしてくれた研修やeラーニングを受講する、等々。どのような学び方を選択するかは、目的とその時々の状況に応じて変わってきますが、すべての学習に共通しているのは、その行為を通じて知識や情報を得られるということです。そして、知識や情報を得ることを、私たちは「知る」ということばで日常的に表現していますが、これが成長に関する誤解につながりやすい要因になっています。その誤解とは、「知ることを繰り返していれば成長できる」という認識です。

2種類の学び方

学習を通じて、たくさんの知識や情報が内面に蓄積されたとしても、それだけでは日々の意識や行動は変わりません。例えば、日本史を学習するにあたって、いつどこでどのようなことが起きたのか、年号を暗記するだけでは「歴史通」になる程度の結果しか得られないのが落ちです。

そうではなく、学習した日本史を概観し、そこに日々の自分の経験を重ね合わせながら熟考すると、「破壊と創造を繰り返しながら進歩していく長期トレンド」の存在が見えてきます。そうすると、コロナ禍で仕事上のさまざまな難問にぶつかっていたとしても、それを乗り越える勇気や知恵も湧いてくるでしょう。

成長のための方程式

日本史の学習を例に、2種類の学習スタイルを説明しましたが、人の成長につながるのは言うまでもなく、後者の学び方です。つまり、得た知識に自身の経験を加え、考え抜くことで、自分にとって意味のあるLesson(教訓)が得られるのです。そしてLessonが得られる状態を的確に表現しているのが「気づく」ということばです。本稿のテーマである人の成長につながる学習とは、気づきのある学習のことを指すのです。

人が成長するための学び方について、必要な要素とそれぞれの関係性に焦点を当てて整理すると、
(知識+経験)×熟考=気づき
という方程式で表現できるでしょう。

「気づき」を誘発するための工夫

研修を実施する際も、どれだけ受講者の「気づき」を引き出せるかが、教育効果を高めるカギとなります。したがって、レクチャーや演習の後に、振り返り(熟考)の時間を充分にとって、気づきを誘発するような工夫が大切になります。

また、OJTの場面でも、上司は部下の気づきを促進させる必要があります。
「今月1カ月間の活動と結果を振り返って、気づいたことは何がある?」
このような問いかけがあれば、部下はたくさんのことに気づき、どんどん成長していくでしょう。
参考記事:PHP人材開発「上司の問いかけが部下を成長させる」

気づきの量と質が、人の成長を左右します。したがって、人材育成のあらゆる場面で気づきを大切にしたいものです。

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的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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