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意識の「釘打ち」とは?~成果を出すために必要な意識改革と定着

2021年12月28日更新

意識の「釘打ち」とは?~成果を出すために必要な意識改革と定着

人のもつ意識のあり方が、仕事上の結果を左右します。意識改革というと、非科学的な精神論と片付けられることもありましたが、昨今では経営学の研究成果からもその重要性が主張されています。成果を上げるために必要な意識とはどのようなものか、そして好ましい状態に意識を変えるためにはどうすればいいのか、また、その状態を定着させるには何が必要なのでしょうか。

INDEX

ポジティブな意識が成果を生む

「心が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる(※1)」という有名なことばがあります。このことばが示しているような、ものごとの成否を決めるのは心(意識)の持ち方次第であるという考え方は、成功を収めた経営者やビジネスリーダーたちがもつ共通認識です。

卓越した業績やイノベーティブな変革を実現した人たちは、「必ず達成する」という熱い想いや、「最後までやり抜く」という強いこだわり、「自分にはできる」という確固とした自信をもっています。こうしたポジティブな意識が原動力となり、さまざまな困難に打ち克って好ましい成果をあげることができるのです。

※1
米国の心理学者・哲学者であるウィリアム・ジェームズ(1842-1910)のことばとされている

意識改革の難しさ

しかし、「ポジティブな意識をもつ」と言っても簡単なことではなく、現実には二つの課題があります。

どうすればポジティブな状態に意識を変えられるか

一つめの課題は、どうすればポジティブな状態に意識を変えられるかということです。
各種調査結果からも明らかなように、日本の企業は世界的に見てもモチベーションの低い社員が多いと言われています。つまり、ポジティブ意識とは真逆のネガティブ意識をもった人たちによって組織の大半が占められているのです。

同志社大学政策学部の太田肇教授は、こうした組織の現状を踏まえたうえで、「自発的で質の高いモチベーションが、これまで以上に要求される時代に入った(※2)」と述べています。

PHPゼミナールでは、これまでに関与した組織開発と個人の能力開発事業で蓄積した知見をもとに、自発的にモチベーションを高め、人の意識を改革するための二つのアプローチを提唱しています。それは、使命感(理念、ミッション、パーパス等)の共有によって、組織(事業)の存在目的を明らかにすることと、関係の質の向上によって、組織メンバー同士の一体感を高めることの二つです。これらは一朝一夕に成果が出るものではありませんが、地道な取り組みを継続している企業では組織風土の刷新と個人の意識改革が起きています。

※2
出典:『なぜ日本企業は勝てなくなったのか』太田肇著(新潮選書)

PHPゼミナールはこちら

意識定着の難しさ

「ポジティブな意識をもつ」上での課題の二つめが、どうすればその状態を持続できるかということです。一時的にポジティブな状態に意識を変えることができたとしても、そのままでは必ず意識は元の状態に戻ってしまいます。人間誰しも意識のぶれがありますので、元の状態に戻るのは仕方がないことです。ただ、そのことを受け容れつつも、意識を理想の状態にシフトしていく営みを続けていくことが大切です。

意識を「釘打ち」する

あるIT企業の経営者は、文章化した「自らの志」を毎日読み上げたり、常に目に付くようにするなどの営みを3年間続けた結果、意識がぶれなくなったと言います。そして、その一連の作業を「釘打ち」ということばで表現していました。
意識を理想の状態にシフトし、固定するための「釘打ち」の方法には、さまざまなアイデアがあります。

例えば、
・仕事や人生の目的や目標を自分のことばで表現し、「見える化」する
・それを毎日、ことばに出す(※3)
・その内容を他者に伝え、言行一致しているかフィードバックしてもらう
・毎日を振り返り、日記をつける 等々

自分にあったやり方で「釘打ち」を実践し続けることで、[好ましい意識の状態の定着⇒行動変容⇒習慣化⇒成果の獲得]という連鎖につながっていくでしょう。

※3
ことばに出すことで、気づきを得たり、意欲が高まることを「オートクライン効果」と言う

PHPの人づくり・組織づくり

的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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