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パーパスが企業と個人に求められる理由

2022年4月25日更新

パーパスが企業と個人に求められる理由

企業の存在意義を表す「パーパス」が注目を集めています。パーパスとは何なのか、他の類似概念とどのような違いがあるのか、またどのようにして見つけることができるのか。本稿では、パーパスの本質について考察してみたいと思います。

INDEX

パーパスとは

経営学者の名和高司氏(京都先端科学大学ビジネススクール教授、一橋大学ビジネススクール教授)によると、パーパスとは「仕事に向き合ううえでの志」のことであり、それを基軸に据えた経営を「志本(しほん)経営」と呼んでいます。
類似の概念にミッションがあります。ミッションが他者から与えられた外発的なものであるのに対し、パーパスは組織や個人の内側から生まれる内発的なものである点が両者の決定的な違いです。
ミッションの浸透・共有が思うようにいかないという課題を抱える企業が規模や業種を問わず多数存在します。その理由は、ミッション浸透・共有のそもそもの出発点が「企業:与えた⇒個人:与えられた」という関係性から始まっているからかもしれません。

パーパスが注目される理由

ここ数年、パーパスが世界中で注目を集めるようになりましたが、その背景には3つの要因があると名和教授は指摘します。

1.市場の変化
「エシカル消費」ということばに代表されるように、環境や社会にとってよいビジネスを行っている企業の商品やサービスを購入したいという消費者が増えている

2.人材の採用・定着
事業内容が環境や社会によい影響を与えているかどうかを判断材料にして就職先や転職先を選ぶ人たちが増えている

3.金融市場の動き
ESG投資の世界的な広まりを受け、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に配慮した企業でなければ投資対象から外されてしまう

こうした外部要因の変化を受け、パーパス経営に取り組む企業が世界中で増えているのです。

 

パーパスを見つける質問

ここまで経営的な観点からパーパスについて述べてきましたが、以降は個人とパーパスの関係について考えてみたいと思います。
パーパスは、前述の通り、外側から与えられるものではなく、個人や組織の内側に存在するので、自分で見つけるしかありません。とはいうものの、何らかのガイドがなければ、なかなか見つけることができないのも事実です。
そこで、個人がパーパスを見つけるためのツールとして開発されたのが、以下の「5つの質問」です。

パーパスに目覚める5つの質問(※1)

1.「得意なことは何か?」
自分の強みを発見させる質問

2.「何をしているときが楽しいか?
自分が好きな仕事を見つける質問

3.「自分の何がいちばん役に立っていると感じるか?」
自分の仕事上の価値観に気づかせる質問

4.「何をしているときに前進し、成長していると感じるか?」
自分の理想の姿に近づくために、今の仕事がどのように役立っているかに気づかせる質問

5.「他の人とどんな関係を築いているか?」
これからの人間関係をどのような状態にしたいか、気づかせる質問

個人的な取り組みとして上記の問いに向き合うことも大切ですが、最も効果を発揮するのが「1on1」に組み込むことです。つまり、上司と部下が「5つの質問」をフレームワークに持ちながら、2週間に1回程度の1on1面談を重ねていくのです。回を重ねるうちに、5つの質問に対する解が明確になってくると仕事に向き合う姿勢が変化するでしょう。

※1 出典『働くことのパーパス』ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編(ダイヤモンド社)

パーパスを実践するためのヒント

パーパスを考えるとき、まじめな人ほど「~しなければいけない」「こうあるべき」というように、「Must」のスタンスでとらえがちですが、このスタンスは長続きしません。確かにMustは、人を動機づけるドライバー(推進力)となりうる要因ですが、それを受け止めるためには強い精神力が必要です。
私たちは大人になり、社会生活を営む過程で、守るべき規範に縛られすぎるあまり、「Must」が重視され、「~したい」という「Want」について考える機会が少なくなります。そうなると、自分の人生を生きているという感覚が薄らいでしまうのです。だからこそ、自分としっかり向き合い自分の「Want」に思いを巡らせる必要があります。
だからといって、「Must」はどうでもいい、自分のやりたいように生きていればいいというわけではありません。私たちは、社会人としてさまざまな役割を担って生きている以上、その責務を果たす必要があります。つまり、「Want」を基軸にしながら「Must」にも意識を向けていくというバランスが、パーパスを見つけ、実践するうえで大切になるのです。

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的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所 人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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