企業内大学(コーポレートユニバーシティー)とは
2014年7月 1日更新
近年の大企業の動向として、企業内大学(コーポレートユニバーシティー:CU)の設立が増えている。『実践 社員教育推進マニュアル』からご紹介します。
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近年の大企業の動向として、企業内大学(コーポレートユニバーシティー:CU)の設立が増えている。企業内大学とは、企業が人材育成を行う仕組みとして、単なる研修だけを行う教育部門から脱却し、経営戦略に基づき、中長期の視点に立って、統合的な人材開発戦略を率先する機関のことである。
もともとゼネラルエレクトリック(GE)がリーダーシップ・センターを1953年に設立したのが始まりである。その後、ディズニー、マクドナルド、モトローラーなどのエクセレントカンパニーがコーポレートユニバーシティーを設立。1990年代にはこぞって欧米企業がコーポレートユニバーシティーを設立した。現在では、コーポレートユニバーシティーは個人と組織の学習を促進し、知識やスキルを相互学習し、組織のナレッジに高める組織学習を促す重要な機関として位置づけられている。
日本では、ソニー、富士通、トヨタ、ユニチャーム、ローソン、ニチレイ、資生堂などが設立し、大企業を中心に導入に動いた。主に社員の能力開発を戦略に行おうとしているが、従来の研修体系から名称を変更しただけのところはうまくいっていない。これまではスキル中心の教育、エリート社員中心の教育に偏っていたが、最近は、総合的な人間力強化の教育やキャリア自律型の教育、働く意欲を醸成するモチベーション教育を取り入れはじめた。特に、社員のキャリア志向や価値観の多様性に対応して、自己啓発型の能力開発を増やしている。
次に、JMAM『人材教育』2008年11月号の「成功する企業内大学」の特集で慶應義塾大学の花田光世教授が、「これからの企業内大学に求められる要件」をまとめているので、紹介しておく。
出典:『[実践]社員教育推進マニュアル』(2009年1月・PHP研究所発行)