中堅社員に教えておきたい!「話し方」「聞き方」5つの心得
2017年8月 9日更新
中堅・若手社員は、いうまでもなく、これから会社を支えていくべき人材です。それだけに、どんな階層になっても通用する「話し方、聞き方」の教育は欠かせません。そこで今回は、一般のコミュニケーション能力の中で、中堅社員が意識して改善すべきポイントを5つにまとめてみました。
話し方は声と間に注意
中堅社員ともなれば、新人の頃から5年とかそれ以上、話法は勉強しているはずです。たとえば「結論から話す」とか、「ポイントを絞る」などということです。ただし、話法にばかり目が向きますと、おろそかになりがちなことがあります。それは話すときの声や「間(ま)」です。中身以前に、ハキハキと話さないと、なんとなくとっつきにくいとか、陰気な人と思われてしまいやすいもの。まずは語尾をはっきりと発音させるように指導するといいでしょう。あとは、相手に考えさせる「間」をとって話すこと。そんな指導ができているでしょうか?
説教をしない、させない
中堅社員ですと、当然新人に話す機会が出てきます。この時に、仕事でもプライベートでも、やってはいけないのは説教です。あるいは、自分の新人のころとの比較です。上司・管理職層とくらべると、年齢差はそこまでないとしても、「俺の新人のころは......」という話し方をすると、新人には間接的な説教にしか聞こえないものです。
以前に研修を受け持った企業で、昼食時にずっと仕事の説教をしていた参加者がいましたが、そんな状態では、部下・後輩は落ち着いて食事もできないでしょう。
整理・分類を心がけながら話す
新入社員の場合は、生の情報をそのまま伝える話し方で十分です。意見と事実を分ける、5W1Hを明確に、くらいでしょう。
しかし中堅になりますと、将来的に自分が上の立場に立つことを想定して話すクセをつけ、スキルを磨いておかねばなりません。
たとえば課長職ともなれば、現場での課題解決を話す場合があります。この時には多くの人に理解を促すために、情報を整理して話すことが欠かせません。
あるいは、部長職なら会社の、あるいは部門の経営状況や方針を部下に伝達するような話は必須でしょう。この場合、自分が得た情報をしっかりと分類し、相手によって何を伝えるのか、しっかりと考えて話す必要があります。
ですので、中堅社員のうちから、将来に備えて、内容を整理・分類して話す習慣を身につけていくように指導する必要があるのです。
復唱して確認する聞き方をしているか
話の聞き方では、相手の言い分を誤解なくしっかり把握することが基本です。
しかし、人は一回聞いただけではまず正確には把握できません。必ず復唱して、相手の言わんとすることの確認をしたいところです。話し方に比べると、聞き方の指導はおろそかになりがちですが、あいづちとともに復唱しているかなど、聞き方のコツをきちんと伝えましょう。
全く同じ言葉でオウム返しにする、あるいは要約したり、言い回しをかえたりして確認することがポイントです。「来月、先方は3人ご出席だそうです」「そうか。3人か」「私の感触では今回のプロジェクト、あまり乗り気ではなさそうでした」「君の感触では、そうなんだね」といったように、報告を受けるときにも、確認するクセがついていることが肝心です。
聞くことには情報収集の面があると気付かせる
聞き方を教えるときの基本としては、うなずくとか、メモをとる、質問する、相手の目を見るなどということになります。ただし、中堅社員の頃にはこれだけを意識していたのでは不十分でしょう。
何かを意識しながら聞かなくては、中堅社員として伸びていけません。
いったい、どんなことでしょうか?
それは、聞くことイコール情報収集なのだという意識です。この意識がないと、ただ人の話を聞く、会議に出る、取引先と話すなどになりがちです。
しかし、人的な情報、相手先の人事情報、業界情報、あらゆる種類の情報が、現場にいる中堅社員の周辺にはまさに飛び交っています。今日、そうした現場の情報やそれらをふまえての的確な判断が、ビジネスの成否を分ける時代です。もちろん、情報は取扱いに注意が必要です。そこは厳守させながらですが、話を聞くことを「情報収集している」ととらえる意識が中堅社員にあるかないか、それが今後にかかわるのです。
ポイントは、ぼんやりと、何の意識もなく周囲と話したり、聞いたりしてはいけないんだという自立した心構えを、中堅社員の持たせるということです。
これまで述べてきました5つの心得を、ぜひ中堅社員に徹底させていただきたいものです。もちろん中堅社員は上を見て育ちます。まずは率先垂範でいかなくてはなりません。