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中小企業は今すぐ「OJT」を見直し、若手社員の定着率を高めよ

2018年3月30日更新

中小企業は今すぐ「OJT」を見直し、若手社員の定着率を高めよ

今の時代、中小企業では、大企業に入社するレベルの新入社員を獲得するのは難しいはずです。そこで、少なくとも30代前半までは社に残り、戦力となってもらうためには、OJTの態勢を整えることが大切です。まずは次の5つの点についてチェックしてみてください。

中小企業のOJT まずは5つの点をチェック!

私が人材育成の観点から中小企業を取材していると、大企業に比べてOJTの中身に問題や誤解が多いことに気がつきます。特に以下の点について、確認してみる必要があります。

(1)「徹底して教える文化」が浸透しているか
(2)PDCAサイクルが確実に回っているか
(3)仕事の進め方の手本やサンプル、注意点などを詳細に教えているか
(4)途中経過をチェックし、結果を今後に生かす流れをつくっているか
(5)チーム全体で人を育てる風土があるか

中小企業によくある「習うよりも慣れろ」はNG!

最初にあげた「徹底して教える文化」が浸透していないと、「習うよりも慣れろ」になりがちです。確かに、仕事の数や量をこなすと、その仕事をする力がある程度のレベルになる場合はあります。特に単純作業などは、経験を積めば一定水準以上に処理できるようになるのかもしれません。一方で、やや複雑で難易度が上がる仕事は、その方法や仕方などを「習う」ことが必要であり、教える人がいないといけないのです。

小さな会社であれ、現在は正社員の仕事は高度化、専門化している面があります。「習うよりも慣れろ」では、時間内で一定のレベルの仕事をすることは難しいのです。上司や先輩社員などが念入りに、しつこいくらいに教えこんでいくことが必要です。「教えた」と突き放すのではなく、「成果や実績、結果がきちんと形となって現れる」までリードすることこそが大切です。できるようになるまで教えていないのに、経験だけを積ませるのは、本人にとってマイナスになる可能性すらありえます。

PDCAサイクルを回せない職場、教えられない上司・管理職

本来、「徹底して教える文化」が浸透しているならば、(2)のPDCAサイクルが回るはずです。ところが、私が取材した中小企業では、特に「C(評価check)→A(改善act)」と、そこから「P(計画plan)」へつなげていく流れが十分にはできていないケースが多いようでした。つまり、正しく評価し、改善し、今後の仕事に確実に結びつける人がいないのです。20代の経験の浅い人が、ひとりでこの流れをつくることは相当に難しいはずです。結果として漫然と仕事をすることになり、仕事の手ごたえなどを感じることはまずできないでしょう。

経験の浅い人には、仕事の進め方の手本やサンプル、注意点などはPDCAサイクルを回しながら繰り返し教えることが大切です。必ずしも文書などにまとめる必要はありませんが、教える側は、教えられる側がすんなりとわかるほどに隅々まで心得ておくことが大前提です。しかし、教える側がそのレベルに達していない場合があるのです。私が取材を通じて観察していると、大企業よりは中小企業の管理職に目立ちます。

若手を育成する職場風土がないと定着率は下がる

PDCAサイクルが回せていないことは、(4)の仕事の途中経過や最終な結果を今後に生かす流れができていないということにもつながります。(2)の「PDCAサイクルが確実に回っているか」や(3)の「仕事の進め方の手本やサンプル、注意点などを詳細に教えているか」が、1つずつの仕事についてのことならば、(4)はやや広い視野に立った仕事全般のことを意味します。

これらはつながりがあり、それぞれがきちんと機能していれば、階段をのぼるかのようにキャリアを築くことができるはずです。中小企業では、そこに問題が多いから、特に20代の若手社員がやりがいを感じることができないのです。

前述の(1)から(4)までがきちんとできていると、(5)の「チーム全体で人を育成する風土」が自然に生まれてくるものです。大企業にもOJTのあり方に問題を感じるときはありますが、中小企業では特に課題が多いように私は感じます。

さて、貴社のOJTはいかがでしょうか。(1)から(5)のうち、3つ以上ができていないということであれば、これを機に一度見直しを図る必要があるでしょう。OJTの改善なしに、若手の定着率が上がることはないのです。

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吉田典史(よしだ のりふみ)
1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年以降、フリーランスに。特に人事・労務の観点から企業を取材し、記事や本を書く。人事労務の新聞や雑誌に多数、寄稿。著書に『封印された震災死その「真相」』(世界文化社)、『震災死』『あの日、負け組社員になった...』(ダイヤモンド社)、『悶える職場』『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ』(KADOKAWA/中経出版)など。

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