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仕事の優先順位のつけ方とタイムマネジメント~若手社員に教えたい!

2020年10月 2日更新

仕事の優先順位のつけ方とタイムマネジメント~若手社員に教えたい!

多忙な中でもバリバリ仕事をこなし、高い成果を上げる人は、つねに仕事の優先順位を考え、タイムマネジメントを実践しています。今回は、若手社員に教えたい、仕事の優先順位のつけ方とタイムマネジメントの基本を紹介します。

仕事の重要度、緊急度

仕事は以下の4つに分類することができます。

優先順位のつけ方

第1象限の仕事とは「重要かつ緊急な仕事」です。たとえば、今日お会いする大事なお客様との商談、明日の役員会議の準備、クレーム対応など、仕事の成果に直結する緊急度の高い仕事をさします。
第2象限の仕事とは「重要だが緊急ではない仕事」です。スキルアップ、人材育成、人脈構築、経営理念の浸透などがあげられます。重要な長期案件(たとえば6カ月かかる仕事など)も、この第2象限に含まれます。
第3象限の仕事とは「重要ではないが緊急な仕事」です。目標達成に直結しない電話やメールヘの対応、営業社員にとっての月末の経費精算、急な飲み会の誘いなどがあげられます。なお、ここでの「重要ではない」とは、おろそかにしてよいという意味ではなく、目標達成に直結しないという意味です。
第4象限の仕事とは、たとえば目標達成に直接つながらないような定例でやっている仕事や手続きのことで、「重要でも緊急でもない仕事」ですので、ここで掘り下げて解説するのはやめておきましょう。
問題は、それぞれの象限の仕事にどの順番でとりかかるか、ということです。
最初にとりかかるのは、第1象限の仕事です。問題は、その次にどの象限の仕事に取り組んでいるかということです。

日常業務の水路化現象

私達が仕事をして行くうえで陥りがちなのが「日常業務の水路化現象」と呼ばれるものです。たとえば次のような仕事を優先する傾向はないでしょうか?

・<重要な仕事>より<期限が迫った仕事>
・<重要な仕事>より<些細な仕事>
・<難しい仕事>より<簡単な仕事>
・<新しい仕事>より<慣れている仕事>
・<時間のかかる仕事>より<すぐ終わる仕事>
・<期限のない仕事>より<期限のある仕事>
・<予定された仕事>より<突発的な仕事>
・<自発的な仕事>より<命令や依頼をされた仕事>
・<自分ひとりの仕事>より<他人と共同でする仕事> ...etc

このように、目の前の仕事や着手しやすい仕事に流れやすい傾向を「日常業務の水路化現象」といいます。
この傾向から、重要度と緊急度のマトリックスにおいては、多くの人が第1象限の仕事を終えた後は、緊急度の高い第3象限に取り組み、次いで簡単にこなせる些細な仕事、つまり第4象限に流れていくと考えられます。
その結果、「重要/難しい/時間のかかる/期限のない(長い)」といった特徴をもつ第2象限の仕事は、多くの場合、後回しになってしまうのです。

水路化現象

第2象限を先延ばしにすると

では、第2象限を先延ばしにしていると(しつづけると)、どういった事態が起きるでしょうか?
話がわかりやすいように端的なたとえ話で説明しますが、仮に「ゾウのような巨大な食べ物を丸ごと平らげる」というミッションが与えられたとします。期限は6カ月です。
仕事とはいえ、あまり気が進まない話です。ただし、6カ月もありますから、焦る必要はありません。あなたは「任せてください!」と、6カ月の間に食べようと決意しました。
......しばらくしてハッと気づくと、2カ月たっていました。少し驚きましたが、まだ4カ月あります。そろそろ食べようと思いました。
......意識はしていたはずですが、いつのまにか、締め切りはあと2カ月後に迫っていました。「あれ? 意外と大きい......」。少し嫌な予感がします。しかし、現実を直視する気にはなれませんでした。
......ついに2週間前。もう絶対に無理です。2週間でこの巨大な食べ物を平らげるなんて人間業ではありません。ギブ・アップです。6カ月前、威勢よく「任せてください!」といった手前、信用を失うことは避けられないでしょう。
皆さんはもうおわかりだと思いますが、「ゾウのような巨大な食べ物」とは長期にわたる大きな仕事やプロジェクトなどをさします。6カ月という時間を有効に活用できていれば、能力的には対応可能なはずでした......。皆さんも同じような経験はありませんか。
第2象限を後回しにしていると、どういった事態が起きるのかは十分ご理解いただけたと思います。いつのまにか第2象限の仕事は第1象限に移ってきて、そのときにはもう手遅れになるのです。

長く重たい案件を着実に前に進める〈エレファント・テクニック〉

第2象限、すなわち「重要だが緊急ではない仕事」を着実に前に進めるためには、まずその仕事を細かくタスクベースにまで分解する(ゾウのような巨大な仕事を細切れの小さな単位の仕事にする)必要があります。
そして、それぞれのタスクに期日を設けることによって、各タスクを段階的に重要かつ緊急な仕事(=第1象限の仕事)に移していきます。これにより、たとえ第2象限の仕事であっても、日々着実に前進させることができるようになるのです。これが〈エレファント・テクニック〉です。
たとえば、システム構築を仕事にしている人であれば、6カ月かけてシステムを完成させる必要がある場合、仕事をすべてタスクベースにまで分解してそれぞれタスクごとに納期を決め、後工程に支障が出ないように各期日を死守します。そうしなければ、複雑なシステムを完成させることなどできないからです。これと同じようにやればよいのです。

時間内で高い成果を出せる人は、Z字型で動く

第3象限の仕事は、緊急度は高いですが、目標達成に直結しない仕事です。たとえば電話やメールヘの対応、急な飲み会の誘いなど、いくら熱心に取り組んだところで、あまり成果には結びつきません。
ですから、時間内で高い成果を出せる人は、「第1→第2→第3(→第4)」の順、いわゆるZ字型で動いています。

Z字型

第2象限の仕事は、誰もが先延ばしにしたい気持ちになります。しかし、だからこそ「仕事の成否は第2象限にいかに日々取り組むかにかかっている」ということをよく理解しておかなければなりません。

重要ではないが緊急な仕事は最短時間で処理する

私たちはつい日常業務の水路化現象に陥って、着手しやすい「重要ではないが緊急な仕事(第3象限の仕事)」に流されがちになります。ここで大切なことは、目標達成に直結しない(=重要ではない)仕事に必要以上に時間をかけすぎないことです。そのためにも、以下のようなポイントで自分の仕事ぶりをふりかえってみるとよいでしょう。

必要以上に丁寧にやりすぎない

第3象限の仕事は、目標達成にはほとんど貢献しないため、最短時間でこなすべき仕事です。完璧主義を排除して、必要以上に丁寧にやりすぎない。つまり「拙速をよしとすべし」と考えましょう。

似た仕事は、まとめて連続処理する

似た仕事をまとめて連続処理していくと、だんだんと作業に慣れ、素早くこなせるようになっていきます。第3象限の仕事は効率重視です。

ルーチンワークはITを活用するなどして、仕組み化・効率化する

第3象限の仕事は、ルーチンワークが多いと思います。可能なものはITを活用するなどして、仕組み化・効率化を図るとよいでしょう。
ルーチンワークは、たとえばチェックリストをつくることによって、機械的に漏れなく仕事をこなせるようになります。
定期的に同じ趣旨のメールを送るような場合は、必要なパターンのメール文の雛形を用意しておくと、必要な部分だけ書き換えればよいため、作業効率があがります。

いちいちメールをするよりも、すぐにすむ場合は電話する

「メールを打つよりも電話が早い」という場合は、迷わず電話を選択するべきです。たとえば、急ぎの社内連絡であるにもかかわらず、わざわざメールを使うのは、あまりに非効率です。速やかにコミュニケーションの改善を図りましょう。

自分にしかできない仕事に集中する

誰にも任せられない、自分にしかできない仕事。本当にできるビジネスパーソンは、ここに時間とエネルギーを集中させようとします。裏を返せば、他の人に任せられる仕事は、なるべく任せていくということです。

「人に任せる」ことを考える

本当に自分にしかできない仕事か、自分がやるべき仕事かをよく見きわめ、そうでない場合は人に依頼することを考えます。特に第3象限の仕事(重要ではないが緊急な仕事)は、極力自分がやらないですむ方法を考えるようにしてください。
自分の不得意分野であり、他に得意な人がいる場合は、その人に任せることはできないでしょうか? 逆に、自分の得意分野で相手に貢献することで、お互いに時間の投資対効果を最大化することはできないでしょうか?
思いきって任せることで後輩の成長につながる場合は、後輩に任せましょう(雑用を押し付けるような依頼にならないように注意してください)。
自分の時給を考えたときに、外注したほうが安いと考えられる場合は外注し、「時間を買う」という発想をしてみるのも効果的です。

コミュニケーションを円滑にすることで、仕事の効率をあげる

「仕事を依頼して、嫌な顔をされるくらいなら自分でやったほうがマシ」といった気持ちのままでは、だんだんと人に任せることができなくなります。第3象限の仕事もすべて自分で対応しなければならなくなり、結果として投資対効果を著しく下げてしまうことにもなりかねません。
コミュニケーションの円滑化は、タイムマネジメントと密接な関係にあります。相手が気持ちよく「やりますよ」と言ってくれるような関係をつくることが、自分の時間をつくりだすことにつながるのです。

※本稿はPHP通信ゼミナール『タイムマネジメントの基本と実践コース』より一部を抜粋編集したものです。

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監修者紹介

本田賢広(ほんだ・たかひろ)
株式会社セブンフォールド・ブリス 代表取締役
1970年、福岡県生まれ。東京大学工学部精密機械工学科卒業。20代後半まで対人恐怖症であったが、借金をして約2,000万円を自己投資をして、営業活動の中で克服する。プルデンシャル生命、ハートフォード生命で個人保険部門で全国2位を獲得する。素晴らしい人々との出会いを経て、「すべての人に価値と使命がある」と確信し、それを伝えるためにプロの講師・コーチとして独立する。銀座コーチングスクール新宿校代表。他に、グロービス経営大学院卒MBA、日本プレゼンテーション協会認定プロ講師など。

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