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才能も権限もいらない「新時代のリーダーシップ」とは?

才能も権限もいらない「新時代のリーダーシップ」とは?

(2018年12月 4日更新)

 
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近年、「リーダーシップ」は、これまでとは異なる新しい見方がなされるようになり、若手社員の段階でリーダーシップ開発を行なう動きが広まってきています。

 

 

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リーダーシップを発揮できる人材を輩出することを目的に、2006年にスタートした立教大学のビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)は、文部科学省の「質の高い大学教育推進プログラム」に選定されるなど、高い評価を受けています。

PHP研究所では、同プログラム推進の中心的役割を担っている舘野泰一助教とタイアップして、企業の若手社員(入社1~3年目)を対象にした「リーダーシップ研修」を開発しました。今なぜ、若手社員にリーダーシップが求められているのでしょうか。

 

早期化傾向にあるリーダーシップ開発の取り組み

リーダーシップというと「若手のうちに学ぶ必要があるの? 学んだとしても発揮するのはまだまだ先のことでは」と思われるかもしれません。しかし、リーダーシップは若手社員のうちから発揮できます。そして、必要になってから学ぶのでは遅く、なるべく早いうちに学んだ方がよいものです。

近年、リーダーシップ開発の実施は、早期化傾向にあります。その背景には、

1.役職に就いてからリーダーシップを学ぶのでは身につけるまでに時間がかかること

2.役職者のリーダーシップだけでは外部環境の変化についていけないので、全員にリーダーシップ(全員参加のリーダーシップ)が求められている

といったことが挙げられます。

 

こうした背景から、近年では企業に入る前から、リーダーシップについて学ぶ機会が増えてきています。例えば、前述の立教大学のBLPでは、経営学部の約400人の学生が、毎年産学連携のプロジェクトを経験しながらリーダーシップについて学んでいます。また、こうした動きは高校にも広がりつつあります。都立高校の教科書にリーダーシップについての内容が掲載されるなど、今後学校教育のなかでもリーダーシップ教育はひろがっていくと考えられます。

以上のような状況から、若手社員のうちからリーダーシップを学ぶということはけっして早すぎるということはありませんし、もちろん遅すぎるということもありません。

リーダーシップについて学ぶことは、その人の将来に役立つのはもちろんのこと、仕事のなかで実践できることがたくさんあるので、職場の活性化など、企業(団体)にとってのメリットも大きいのです。

 

リーダーシップとは

さて、リーダーシップということばを耳にするとどのようなイメージを描くでしょうか。一般的にリーダーシップとは、以下のようなものであるとイメージされることが多いようです。

 

1.権限・役職を持っている人が発揮する人(カリスマ性が必要)

2.引っ張る・まとめる等、前に出ておこなう行動

3.天性のもの(才能によって決まるもの)

 

このように、リーダーシップというと、いわゆる「リーダー(会社でいえば役職者)」が発揮するものというイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。実際に、有名なカリスマ性のある経営者や、政治家、スポーツのキャプテンなどが、人前に立って雄弁にビジョンを語り、周りの人たちを引っ張っていくという姿は、リーダーシップのひとつの側面といえます。

しかし、これらはリーダーシップのほんのひとつの側面でしかありません。リーダーシップのかたちは、こうした権限や、生まれ持ったカリスマ性に支えられた、人々を魅了するようなあり方だけではありません。

近年のリーダーシップ論では、さきほど示したものとは異なる新しい見方がなされてきています。その意味・定義を、さきほどのものと比較しながら見てみてください。

 

1.権限・役職に関係なく、すべての人が発揮するもの

2.目標達成のために他のメンバーに影響を与えるあらゆる行動

3.学習可能

 

チームの全員が発揮できるリーダーシップ

リーダーシップは、権限・役職を持った人が発揮するものではありません。チームに所属している人であれば、だれでも発揮できるものです。すなわち、「リーダー」と「リーダーシップ」は異なるということです。リーダーシップを発揮することは、「引っ張る・まとめる」などの行動だけのことを指すのではなく、「会議を進めやすくするように、資料を事前にスムーズに配布しておく」というような小さな行動も当てはまります。そして、こうしたリーダーシップは「天性のもの」ではなく、「学習可能」です。つまり、「私にはリーダーシップは向いていない」というのではなく、だれでも訓練次第でリーダーシップを発揮できるというわけです。

 

次回以降、若手社員を対象にしたリーダーシップ開発の具体的な取り組みについて考えてみたいと思います。

 

出典:『リーダーシップ教育のフロンティア 研究編』(北大路書房)

 

舘野泰一監修「全員発揮のリーダーシップ」入門研修・DVD

 


 

的場正晃(まとば・まさあき)
1990年慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。現在、PHP研究所研修企画部長。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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