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2022年はハラスメント教育の転機に

2022年3月29日更新

2022年はハラスメント教育の転機に

2022年4月は、企業のハラスメント教育の大きな転機となります。法改正等によって、企業にはさまざまな制度や体制の整備が義務づけられました。今回は、2つの法律について、ハラスメント教育の観点から考えていきたいと思います。

INDEX

パワハラ防止法。中小企業も対象に

2020年に施行されたパワハラ防止法は、4月から中小企業も対象に加えられました。これにより、全企業にパワハラ防止措置が義務づけられたことになります。
企業は防止措置を講じているかどうかが問われるため、制度・体制づくりが喫緊の課題です。しかし、制度や体制をいくら整えたとしても、現場でパワハラが起こってしまっては、それらは意味をなさなくなります。制度・体制づくりと同時に、現場の社員たちがパワハラについて「あってはならないこと」と自分事として理解し、発生防止のための行動を意識的にとれるような教育が必要なのです。

パワハラ~"白"でも"黒"として扱う難しさ

パワハラの難しいところは、調査の結果は"白"になることでも、「現場で声が上がった時点で暫定的に黒」となってしまうことです。しかも、設置が義務づけられている相談窓口は、社員の声を広く受け付けるのが前提であるため、集まってくる情報は、パワハラだと一目瞭然のものもあれば、調査しないと判断がつかないもの、適正な業務指導の範囲であって明らかにパワハラではないものというように魚目混珠です。
しかし、パワハラは受け手側の感覚も重要な判断要素である以上、明らかにパワハラではないものも「黒の可能性がある」という前提で早急に対応しなければなりません。放置しておくと、受け手側の社員がメンタルダウンするなどの悪影響が生まれる可能性があるからです。
こうしたことから、パワハラに関する教育で重要なのは「パワハラの疑いを生まないための教育」といえます。すなわち、「これはOK。これはNG」という線引きを教えるのではなく、「これがパワハラの芽になり得る」ということを考え、理解してもらう教育が必要なのです。

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育児・介護休業法の改正

本年4月に施行されたもう一つの法律が、育児・介護休業法です。男女ともに育休を取得しやすくする雇用環境の整備や制度の周知など、企業の取り組みが義務づけられました。これにより、社員は安心して育児をしながら自分の望むキャリアを歩めるようになりますし、企業としては労働力の確保が期待できます。
しかし、育児の制度はマタハラやパタハラのきっかけになることが少なくありません。厚生労働省のリーフレットでもハラスメントについて言及されているように、実務レベルでは多くのトラブルが生まれる懸念があります。
たとえば、次のようなケースです。

  • 「育児はママがすることでは?」と発言する(→ 性別役割分担意識にもとづく発言)
  • 「育休をとると評価に影響する」と発言する(→ 制度利用による不利益な取り扱いの示唆)
  • 「産後パパ育休の期間は繁忙期だから、数日出社してくれない?」と上司から打診する(→ 制度を理解していない発言)
  • 「繁忙期に育休をとられたから自分たちの仕事の負担が増えた」と周囲のメンバーが不満を訴えている(→ 職場のマネジメントに由来する問題)

これらのケースは、いずれもハラスメントに発展する可能性をはらんでいます。もしこうした問題を放置しておくと、育児のために働くことをあきらめざるを得ない人も出てくるかもしれません。すなわち、現場レベルでの「ハラスメントの芽」を取り除いていくことが、新しい制度を機能させるために不可欠だといえるでしょう。

現場の上司への教育がハラスメント防止の第一歩

多くの場合、社員から育休取得の第一報を聞くのは、現場の上司です。もし、上司が制度をよく理解していなければ、前述のようなハラスメントにつながる発言をしてしまう可能性が生まれてしまいます。
改正育児・介護休業法の中に「育児休業を取得しやすい雇用環境の整備」のひとつとして「育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施」が含まれているように(※1)、ハラスメントを生まずに制度を機能させるためには、実務レベルで最低限知っておかなければいけない制度の概要やNG対応についての教育が不可欠なのです。

※1 育児・介護休業法では、「研修の実施」「相談窓口設置」「事例の収集・提供」「制度と育児休業取得促進に関する方針の周知」の4つのうちいずれかを講じなければならないとされています。

社員研修用DVDを6月発刊!

PHP研究所では、企業のハラスメント防止教育に使えるDVD『上司のハラスメント パワハラ編』『上司のハラスメント パタハラ・マタハラ編』(いずれも仮タイトル)を2022年6月末に発刊します。いずれも、関連する法律についてのていねいな解説と、現場で起こるさまざまなハラスメントケースを収録しています。
イントラネット等での配信に対応した動画データでの提供にも対応していますので、テレワークでの社員教育、自己啓発にも最適です。
ハラスメント教育には、制度に紐づいた具体的なケースについて考えるのが効果的です。単に制度を説明するだけでは、その先にあるリスクに気づきにくくなります。また、具体的なシチュエーションによって、実務レベルでの注意点が理解しやすくなるという効果が期待できるからです。ケースを視聴して、ハラスメントを自分事として考える研修カリキュラムをおすすめします。

法改正のタイミングは、会社全体のハラスメント防止意識を高めるチャンスともいえます。働きやすい職場づくりのために、映像を使った教育を検討されてみてはいかがでしょうか。

DVD『上司のハラスメント パワハラ編』はこちら

DVD『上司のハラスメント パタハラ・マタハラ編』はこちら

※DVD制作の進行状況を随時お届けしています。ご希望の方はお問い合わせフォームからご連絡ください。

(PHP研究所 メディアクリエイティブ出版局)

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