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役職定年前研修の実施効果を解説! シニア社員が抱える3つの悩みとは

2022年5月12日更新

役職定年前研修の実施効果を解説! シニア社員が抱える3つの悩みとは

一定の年齢で役職を退任する役職定年制度を導入している企業は少なくありません。役職定年をむかえたシニア社員には、会社に貢献したい気持ちはあるものの、複雑な悩みを抱える方も多いものです。
今回は、シニア社員の活性化のための役職定年前研修の概要や実施効果を解説します。

INDEX

役職定年前研修の概要

役職定年とは、ある一定の年齢に達した社員が、部長や課長といった管理職から外れる制度のことです。役職定年したシニア社員に会社の戦力として活躍してもらうために、役職定年前研修の必要性が高まっています。
そこで、まずは日本で役職定年制度が普及した背景をご紹介していきましょう。

役職定年制度 導入の背景

ひと昔前、日本では多くの企業で、55歳定年が行われていました。ところが、少子高齢化による人口減少の中で社会経済活動を活性化していくために、1986年に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)が成立し、定年を定める場合には、それが60歳を下回らないように努力する義務が新たに事業主に課されました。1994年には60歳未満の定年が禁止され、その後、65歳までの継続雇用が事業主の義務とされました。
さらに2021年には、65歳から70歳までの就業機会を確保するため、70歳までの定年引き上げまたは定年制の廃止、70歳までの継続雇用制度の導入などの措置を講ずることが雇用主の努力義務とされました。

こうした法整備や社会の動きのなかで、これまで60歳定年を前提として働く人の賃金や退職金を算出していた企業は、人件費の負担増にどう対応するかという課題を抱えることになったのです。

参考:高年齢者雇用安定法 改正の概要

役職定年制度の導入とその影響

そこで導入されたのが役職定年制度です。企業にとっては、この制度を導入することによって、一定年齢に達した社員を部長や課長といった管理職から外し、人件費の高騰を抑えることができます。また、そもそも成果主義の導入や人材の流動化が進む中で、旧来の終身雇用制度を基盤とした年功序列によって役職に就いた管理職を、成果によらず定年まで同じ地位に残すことに疑問が持たれるような社会情勢もありました。

そうしたなかで、役職定年制度は、人件費の削減だけでなく、組織の活性化や若手の登用にも寄与するものとして、導入が進んでいきました。

一方、役職定年制度によって複雑な悩みを抱えるシニア社員が増えました。その悩みを解決し、戦力として活躍してもらうために各企業で実施されているのが役職定年前研修なのです。

役職定年したシニア社員の3つの悩み

シニア社員に明確な定義はありませんが、一般的には管理職に就いていない55〜70歳の社員、または役職に就いているものの部下がいない社員を指す言葉として近年は定着しています。
役職定年したシニア社員の中には、複雑な悩みを抱える人も多いようです。役職定年前研修を実施するにあたっては、それらの悩みを理解しておく必要があるでしょう。代表的な悩みとして、次のようなものがあります。

  • 職場で居心地の悪さを感じる
  • 仕事にやりがいを感じられない
  • 役職定年によって年収が減少した

それぞれ詳しくご紹介しましょう。

職場で居心地の悪さを感じる

シニア社員の中には、役職定年した後も今までと同じ部署で働く人がいます。同じ部署であるだけに、これまでの経験や知識を活かして働けますが、以前部下だった社員が上司になる可能性もあるでしょう。
元部下が自分の上司になるといった環境では、プライドを傷つけられたと感じるシニア社員もいるようです。また、役職定年すると自分が役職に就いていたときと逆の立場になります。
年下上司と良好な関係を築けず、職場で居心地の悪さや働きにくさを感じるシニア社員も少なくありません。場合によっては仕事への意欲が低下し、作業効率が落ちるなど業務に支障が出ることもあります。

仕事にやりがいを感じられない

役職定年したシニア社員の中には、異なる部署に配属される人もいます。職場の異動によって業務の変更を余儀なくされるため、これまで積み上げてきた知識や技術を十分に活かせないと悩むシニア社員も多いようです。
異動先の職場では、新しい業務を覚えなければいけません。シニア社員にとっては、新しい知識や業務手順を覚えるのはなかなかたいへんということもあり、仕事への意欲が低下する人もいます。
また、役職定年によって肩書きを失うと、重要な会議に参加できなかったり、役職社員だけが閲覧できる社内情報にアクセスできなかったりすることも増えるでしょう。「会社に期待されていない」と感じてしまい、気分が落ち込むシニア社員もいるようです。

役職定年によって年収が減少した

役職定年すると役職手当を受けられないため、給料が減って年収が大幅に減少することも珍しくありません。部長や課長といった立場上の責任はなくなりますが、年収が減少することに不満を感じるシニア社員は多くいます。年収が下がると生活にも影響が出るため、シニア社員の切実な悩みとなっているようです。

役職定年前研修で得られる3つの効果

役職定年前研修で得られる3つの効果

シニア社員向けの役職定年前研修は、必ず実施しなければいけないものではありません。しかし、役職定年前研修を実施することにより、企業は次のような効果が期待できます。

● 新たな人材確保の必要がなくなり、人材採用や育成にかかるコストを削減できる
● シニア社員の豊富な経験やノウハウを活用できる
● 現役社員の定着率向上が期待できる

役職定年前研修の効果について、それぞれの項目を確認していきましょう。

人材採用や育成にかかるコストを削減できる

役職定年前研修を実施することにより、シニア社員の仕事に対する意欲向上が期待できます。シニア社員がこれまでの知識や経験を活かして職場で活躍すれば、人員を新たに確保する必要がなくなり、採用や育成にかかるコストを大幅に削減できるでしょう。
近年は求職者有利の売り手市場が続いており、人材確保に課題を抱える企業も多いようです。そうした職場では特に、シニア社員の活躍を期待したいものです。

豊富な経験やノウハウを活用できる

役職定年を迎えたシニア社員は、これまでの社会人生活の中で豊富な経験や知識、ノウハウを保有しています。例えば、営業職の部長や課長の役職だったシニア社員は、人間関係を構築するノウハウや、業界内に幅広いネットワークを持っていることも多いものです。
こうした豊富な経験や知識、ノウハウは短い時間で習得できるものではありません。役職定年前研修でシニア社員の悩みを解消できれば、仕事への意欲が湧き、豊富な経験やノウハウを活用しながら業務に取り組んでくれるはずです。また、次世代の育成にも大きな役割を果たしてくれるでしょう。

現役社員の定着率向上が期待できる

昨今は人材の流動化が進み、転職市場が活性化しています。若手社員や新入社員で、自分が働く環境に疑問を感じて転職を考える人も少なくありません。
研修実施などによってシニア社員が前向きにイキイキと活躍する職場であれば、彼らも「この会社なら長く働き続けられそう」といったポジティブな印象を抱きます。結果的に、社員の離職率改善にも好影響が出てくるでしょう。

PHP研究所が提案するシニア活性化研修

役職定年制度の導入により、昨今は「働かないおじさん」とも呼ばれるシニア社員。その活性化が課題になっている職場は少なくありません。特に若手管理職からは「業務の指示を出しても動いてくれない」、「改善点を示しても受け入れてくれない」、「指示を出しにくい」など、さまざまな声が上がっています。

そこでPHP研究所では、本来は業績や後進の育成に大いに力を発揮すべきシニア社員が、逆に若手社員に悪影響を与えているといった問題を抱える企業に、シニア活性化研修を提案しています。

ここでは、PHP研究所が提案するシニア活性化研修の概要やねらいをご紹介します。研修スケジュールも紹介しているため、導入を検討する方は参考にしてください。

シニア活性化研修 資料ダウンロードはこちら

シニア活性化研修のねらい

法改正で定年が延長されたことにより、シニア社員の戦力化が企業にとって重要な課題となっています。しかし現場では、シニア社員のパフォーマンスや仕事に対する意欲の低下、マネジメントの難しさに課題を感じるといった声が上がっているのが現状です。
このような状態を放置すると、職場全体の士気が下がる要因になることが懸念されます。シニア社員にはこれまでの会社生活や仕事を振り返り、自身のコアやリソースを理解してもらうことが必要です。

PHP研究所が提案するシニア活性化研修では、シニア社員が自身のコアやリソースを再確認することにより、組織貢献領域を拡大していくことをねらいとしています。

シニア活性化研修のスケジュール

シニア活性化研修の対象者は、50代後半〜60代のシニア社員で、実施期間は2日間です。

【事前課題】として仕事内容、自身の課題や悩み、研修への期待をシートに記入してもらいます。
研修講師は、課題シートに記入されたシニア社員一人ひとりの課題や悩みを踏まえて研修を進めていきます。

2日間の研修スケジュール、研修テーマや内容を確認していきましょう。

【1日目】
● シニア活性化研修の目的や意義の確認
● これまでの社会生活を振り返りながら自己と向き合う
● プロ専門職の価値を考える
● 自分自身のあり方を考える

学習のねらいは、研修への動機を明らかにして前に向かうマインドセットに変えることです。シニア社員自身に焦点をあて、過去の体験から得たパーソナルブランドや仕事の役割を明確にします。これは、シニア社員自身が過去の経験を承認する作業です。
また、役職定年後も、自分自身の課題と向き合いながら、楽しく働くための考え方や周囲と良好な人間関係を構築するためのコツを一緒に考えていきます。

【2日目】
● 1日目を振り返り、課題を発表する
● 今後の働き方や自分のあり方を考える
● 上司からのメッセージを伝える
● 今後の職場実践の取り組みや行動計画を立案する

2日目は、1日目の課題を受けて、気持ちの変化や自分で導き出した結論を各自発表します。また、上司や若手社員から期待されている存在であることを伝えたうえで、自分自身の未来のありたい姿を明確にしてもらいます。
最後に、上司からのメッセージとして、日頃の感謝や仕事に対する評価、受講者の強み、今後の役割や実践してほしいことを伝えます。
研修2日目は、シニア社員に無限の可能性があることを認識してもらい、前向きに仕事に取り組める状態にすることをねらいとしています。

シニア活性化研修 資料ダウンロードはこちら

まとめ

シニア社員は、人手不足が課題となる企業にとって即戦力になり得る人材です。しかし、役職定年したシニア社員は、働く環境や立場の変化から、仕事へのモチベーションが低下することがあります。放置すると、周囲の社員に悪影響を与えて職場全体の士気が下がってしまうことにもなりかねません。

PHP研究所では、貢献力と人間力を高めるためのシニア活性化研修を提案しています。研修は、会社生活で培ってきた強みやスキルを確認しながら、意欲的に働くための意識改革を促すのがねらいです。

役職定年したシニア社員に、働く意欲を取り戻してもらうことで、培ってきた経験やノウハウを活用できます。シニア活性化研修の実施をぜひご検討ください。

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