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パタニティハラスメント(パタハラ) 研修は必要? 概要や種類を解説

2022年5月 6日更新

パタニティハラスメント(パタハラ) 研修は必要? 概要や種類を解説

積極的に家事や育児に関わりたい男性が増える一方、企業や職場では男性社員の育休取得に関する理解が進んでいないのが現状です。2022年4月には、育休取得促進の取り組みを義務づける「育児・介護休業法」が施行されました。そこで今回は、パタニティハラスメント(パタハラ)が企業や職場に与える悪影響やパタハラ研修の必要性について解説します。

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パタニティハラスメント(パタハラ)とは

パタニティハラスメント(パタハラ)は、父性を意味する「paternity(パタニティ)」と、嫌がらせを意味する「harassment(ハラスメント)」を組み合わせた言葉です。男性社員が育児休業を取得するにあたって、職場の上司や同僚などから嫌がらせなどの「不利益な取り扱い」を受けることを指します。
例えば、育児休業や短時間勤務制度の利用を申し出た男性社員に対して、制度利用を躊躇させるような発言をしたり、わざと仕事を与えなかったりといった行為がパタハラにあたります。なかには、育児休業の申請をきっかけに昇進できなくなるという不利益な取り扱いを受けるケースも発生しています。

進まない男性の育休取得

改正育児・介護休業法では、「産後パパ育休」「育休の分割取得」など、これまで以上に男女ともに育休を取得しやすくするための制度が設けられました。そして、その実現のために、全企業に育児休業を取得しやすい雇用環境整備を実施することが義務付けられ、研修の実施など多岐にわたる対応が求められています。
また、昨今は育児に積極的に参加したいと考える男性が増えていますが、日本では男性社員の育休取得がなかなか進まないというのが現状です。その背景には、周りの考え方がなかなか変わらないといった現状や、職場の協力不足などの問題が関わっているのです。

マタニティハラスメント(マタハラ)との違い

マタニティハラスメント(マタハラ)とパタハラのの違い

パタニティハラスメントと似た言葉にマタニティハラスメント(マタハラ)があります。マタニティハラスメントは、母性を意味する「maternity(マタニティ)」と、嫌がらせを意味する「harassment(ハラスメント)」を組み合わせた言葉です。
妊娠や出産、育児を理由に女性が解雇されたり、雇い止めなどの嫌がらせを受けたりする精神的および肉体的なハラスメントのことで、今日、パタハラよりも広く認識されているといえるでしょう。
パタハラとマタハラは、どちらも育休に関する嫌がらせですが、その違いは対象者です。パタハラは男性社員に、マタハラは女性社員に対して行われる嫌がらせを指します。

参考記事:「どの職場にもいる マタハラ上司とパタハラ社員」

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パタニティハラスメント(パタハラ)が発生する3つの背景

2022年に厚生労働省が実施した職場のハラスメントに関する実態調査(※1)によると、過去5年間でパタニティハラスメントを受けた男性の割合は26.2%であることが報告されています。従来に比べて育児に前向きな姿勢を示す男性が増える一方、5人に1人がパタハラを経験しているのが現状です。

職場でパタハラが起こる背景には、次のようなことが考えられます。

  • パタハラに関する理解不足
  • 上司や同僚の協力不足
  • 無意識的な偏見

それぞれの項目を確認していきましょう。

パタハラに関する理解不足

パタニティハラスメントに関する基本知識がない場合、職場で嫌がらせや育休取得の妨害行為が発生しやすいといわれます。自分の行動がパタハラに該当することを理解できていないため、継続的に行われるケースもあります。
これは、企業として社員への教育が十分にできていないという問題でもあるため、人事部あるいは担当部署がパタハラ研修を実施するなど、対策をとる必要があります。

上司や同僚の協力不足

厚生労働省の実態調査(※1)によると、職場の上司や同僚が、パタハラを引き起こす主体になっているケースが多いことがわかります。また、育休取得者が所属する事業所では、代替要員の補充を行わず、同じ部門の他の社員で対応するケースが多く(※2)、代替要員の補充が行われない場合、育休で男性社員が長期間職場を離れることになると、同僚の負担が大きくなります。そこで、男性社員の育休取得に関して嫌がらせや妨害行為を行い、男性社員が長期間職場を離れることを回避しようとするケースが発生するのです。

また、多様な働き方を認める風土がない会社、職場では、男性社員の育休取得に否定的な意見を持つ人が多いようです。周りの協力が得られない職場環境で、育休の申請を出せずにいる男性社員もいるようです。

無意識的な偏見

厚生労働省の調査では、2020年度に育児休業を取得した男性は12.65%と過去最高を記録しました。ただ、女性の育児休業取得率が8割を超えているのに対し、男性の取得率は依然として低い状況です(※3)。これは「女性は家事や育児、男性は仕事」といった価値観が日本に根強く残っていることが一因と言えるでしょう。
女性が家事や育児、男性は仕事という価値観を持つ人は、男性が育休を取得することを受け入れ難いと感じます。 育休申請をする社員に対して「男なんだから仕事を休むなんてあり得ない」といった発言をするなど、無意識的な偏見からパタハラに該当する言動をとってしまうことがあります。

※1 参考資料:「令和2年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書」(東京海上日動リスクコンサルティング株式会社)
※2 参考資料:厚生労働省「令和元年度雇用均等基本調査」
※3 参考資料:厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査」

パタニティハラスメント(パタハラ)が及ぼす2つの悪影響

パタニティハラスメント(パタハラ)が及ぼす2つの悪影響

パタニティハラスメントの問題は、男性社員だけではなく、会社にも悪影響を及ぼすこともあるため早期に対策を講じなければいけません。悪影響には、次のようなものがあげられます。

  • 被害にあった社員の業務効率が悪化する
  • 社員が会社や上司に不信感を抱く

それぞれの項目を確認していきましょう。

被害にあった社員の業務効率が悪化する

パタハラが発生すると、被害を受けた社員の仕事に対する意欲が低下し、業務効率が低下することが考えられます。仕事への意欲がなくなることによって、集中力が低下し、ミスを多発して取引先や顧客に迷惑をかける可能性もあるでしょう。
社外を巻き込んだミスやトラブルによって企業の信頼が失われると、場合によっては取引先や顧客が離れるなど、業績に直接的な影響を及ぼすことも考えられます。

社員が会社や上司に不信感を抱く

パタハラが横行する職場では、直接的な被害者だけではなく、他の社員にも悪影響があります。例えば、パタハラの被害を受けた先輩社員の姿を見て、若手社員は会社や上司に対して不信感を抱く可能性があります。
特に若手社員はプライベートを重視する傾向にあるため、育休を取りづらい職場環境にマイナスのイメージを抱くことが多いでしょう。場合によっては、将来有望な若手社員の離職につながることも考えられます。

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パタニティハラスメント(パタハラ)研修の種類は3つある

職場のパタニティハラスメントを防止するには、教育・研修によって、社員一人ひとりの理解を深めることが第一歩になります。パタハラ研修は3種類あります。それぞれご紹介しましょう

  • 一般的なパタニティハラスメント防止研修
  • 行為者を対象とした再発防止研修
  • 相談窓口や人事担当者向けの研修

一般的なパタニティハラスメント防止研修

一般的なパタハラ研修は、全社員を対象として実施します。研修では、パタハラに関する法律知識を解説し、ケーススタディなどを用いて理解を深めていきます。研修は一度実施して終わりにするのではなく、社員の理解度や職場での浸透度合いを確認しながら継続的に行いましょう。内容も、段階的に実践的なものへと進めていくといいでしょう。

行為者を対象とした再発防止研修

パタハラの行為者を対象に実施されるのが、再発防止研修です。企業で個別に研修プログラムを用意して実施したり、あるいは社外セミナーに参加したあと人事部などの担当部署あてにレポートを提出させるといった方法があります。再発防止研修は、再教育によって本人のパタハラへの理解を深め、今後の発生を防止することを目的としています。

相談窓口や人事担当者向けの教育研修

企業では、パタハラの被害者が相談できる窓口を設置していますが、この窓口担当者が被害にあった社員に誤った対応をすると、問題の解決はさらに遠のいてしまいます。最悪の場合、被害者が精神的な疾患を抱えてしまうといった事態が発生するかもしれません。
相談窓口や人事担当者向けの教育・研修では、パタハラ被害を受けた社員への質問の仕方や確認方法、相談業務で配慮すべきことを伝えます。

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パタニティハラスメント(パタハラ)研修の概要

パタニティハラスメント研修を実施するにあたって、開催頻度や研修時間、研修プログラムをどのように決めればいいかを解説します。研修講師は、社員が担当する場合と、社外から招く場合があります。研修講師の選び方もあわせてご紹介していきます。

研修の開催頻度や時間について

パタニティハラスメント研修は、一度実施すれば終わりではありません。継続的な実施によって職場での意識の浸透を図り、それによってパタハラ防止効果が期待できるため、毎年行われるのが一般的です。また、先にご紹介したマタニティハラスメントやセクシュアルハラスメント等と一緒に、「ハラスメント研修」として行われることも多いようです。
研修時間に関しては半日、もしくは1日で行うのが一般的です。研修の参加人数は、ケーススタディなどを用いて意見交換をすることも考えて、20〜30人が推奨されています。社員数が多い場合は、複数回実施するといいでしょう。

研修プログラムについて

パタニティハラスメント研修は、全社員が対象になります。研修プログラムは、次のような内容にするのが一般的です。

  • パタニティハラスメントとは何か、基礎知識を解説
  • パタニティハラスメントが職場や企業に与える影響を解説
  • パタニティハラスメントの行為者の責任について解説
  • パタニティハラスメントの具体例を紹介
  • パタニティハラスメントの予防方法を紹介
  • パタニティハラスメントに関する自社の規則や職場のルールを共有

研修講師の選び方について

前述のとおり、パタニティハラスメント研修の講師は、社員が担当する場合と、社外から専門家を招く場合があります。社員が担当するメリットは、まずは費用的なことがあります。特に、社員数が多い企業の場合は、人数を限って複数回実施する必要があるため、社内で講師を養成すると費用を抑えることができます。
一方、社外から講師を招くメリットは、効果的な研修を実施できることです。パタハラ研修には法律に関する専門的な内容が含まれるため、知識が豊富な社外講師に依頼すれば安心で、教育効果も期待できます。事前に打ち合わせをして、自社の状況に即した研修内容にするとよいでしょう。

参考記事:ハラスメント研修の実施に必要なことは? 開催の頻度や講師などを解説

ハラスメント研修プログラム│資料ダウンロード

まとめ

価値観が多様化するなか、育児休業を取得して積極的に家事や育児に関わりたいと考える男性が増えています。しかし、企業によっては男性社員の育休取得に対する理解が進んでおらず、パタニティハラスメントが発生し、それが社外にも広まることによって、企業イメージを毀損するケースがみられます。
2022年4月には、育休取得促進の取り組みを義務づける「育児・介護休業法」が施行されましたが、この機会に、企業では、社内制度や体制の整備を進めるとともに、パタハラに関する教育・研修を実施して、社員一人ひとりの知識や理解を深め、皆が安心して働ける職場づくりに努めたいものです。

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