新入社員に業務日報(日誌)を書かせる目的とは?
2018年3月23日更新
どこの職場でも当たり前のように新入社員に業務日報(日誌)を書かせていますが、そもそもその目的は何なのでしょうか。新人と先輩・上司とのコミュニケーションツールとしての業務日報の意義、そして効果的な活用について考えてみたいと思います。
業務日報(日誌)で新入社員と先輩・上司の信頼関係をつくる
「厳しい就職戦線を勝ち抜いて入社してきたはずの新入社員が、すぐに辞めてしまう」
「少し注意をしただけでメンタルダウンを起こして、出てこなくなってしまった」
「苦労して採用した新入社員に辞められてしまったらと思うと、叱るに叱れない」
最近、新入社員について、人事担当者や現場で指導にあたる方々の、こうした悩みをよく耳にします。
バブル崩壊以降、多くの企業では「効率化」「少数精鋭」をかけ声に、さまざまな要素をそぎ落としてきました。その結果、上司も先輩社員も自分自身のことで手一杯で、新入社員にも「即戦力」となることが求められるようになっています。こうした状況は、新入社員を長い目で見守って育てるという風土を現場から奪うばかりか、社内の人間関係そのものを希薄にしています。そんな職場環境のなか、新入社員がなかなか会社に居場所を見いだせずにいることが、高い離職率やメンタルヘルスの問題となって現れていると考えられます。現在多くの職場では、「新入社員の定着をはかり、職場の一員としての自覚と責任感をもって仕事に取り組む姿勢を育てるために、周囲はどのようにサポートしていくべきか」ということが課題となっています。
そのカギとなるのが、新入社員にとって一番身近な指導員となる先輩・上司との"信頼関係"です。きめ細やかなコミュニケーションを通じて新入社員の心に寄り添い、支援することで、新入社員は「見守られていること」を実感しながら安心して仕事に取り組むことができます。それが、新入社員のなかに指導員への信頼を育みます。また、信頼関係で結ばれた指導員の姿からは、将来の自分についてのビジョンが形づくられることでしょう。それらの思いは、やがて職場への愛着や仕事のやりがいといったものへと育っていきます。
そうした新入社員と先輩・上司との間で信頼関係をつくるうえで、ぜひ、効果的に活用してほしいのが、業務日報(日誌)なのです。
新入社員に業務日報(日誌)を書かせる目的
配属後一定期間、新入社員に業務日報(日誌)を書かせているという職場は少なくないはずです。最近では、メールやグループウエアなどを活用するケースも増えているようです。
ところで、新入社員に業務日報(日誌)を提出させる、そもそもの目的は何でしょうか。
●新入社員の仕事ぶりを管理する
●いま、抱えている不安や悩みを把握する
●仕事の正しい進め方を学ばせる
●ビジネス文書・報告書の書き方を習得させる など
業務日報(日誌)を書かせることにより、さまざまな効用が期待されますが、重要なことは、先輩・上司と新入社員のコミュニケーションのツールとして活用し、適切な支援をしていくということです。
業務日報(日誌)の効果を高めるために
本教材は、3カ月の指導期間を想定していますが、さいごに、『新入社員 研修ノート』、『新入社員指導 実践テキスト』のいずれにおいても、「明日へ向けて」と題したワークに取り組んでもらうようにしています。