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若手社員に教えたい、上司との会話を増やす3つのポイント

2019年11月25日更新

若手社員に教えたい、上司との会話を増やす3つのポイント

若手社員が仕事をレベルアップさせるには「相談力」を身に付けることが欠かせません。そのために、まずは、上司との日常会話を増やす方法をアドバイスしましょう。

上司と日常会話を増やすには?

組織で仕事の成果を挙げるためには、上司と部下の円滑なコミュニケーションが欠かせません。ところが、若手社員にとって、いきなり難しい問題を上司に相談するのはハードルが高く感じられる場合があります。普段、上司とコミュニケーションをあまりとっていない人は、なおさらきっかけがつかみにくいでしょう。

人材開発の担当者としては、相談上手な若手社員を育てるステップとして、日頃から上司との会話を増やすようにアドバイスしていくのも有効です。もちろん、上司側、部下側で、それぞれ心がけるべきことはありますが、今回は、部下である若手社員のほうで取り組めることを3つのポイントでご紹介します。

(1)挨拶を意識させる

日頃から相手の目を見て、元気よく挨拶するように指導します。毎朝、気持ちのいい挨拶で仕事を始めたら、その後の会話も交わしやすくなり、相談をもちかけやすい空気になっていくはずです。

(2)雑談に参加するよう促す

ランチタイムなどに上司や先輩が話している輪の中に、若手社員も入っていくよう指導します。会話に加わるのがベストですが、会話に入れなくてうなずいているだけでも、存在を認識し合うことができます。

(3)雑談の話題を仕入れさせる

日常会話を増やすために、当たり障りのない話題を普段から仕入れておくよう指導します。天気、趣味、旅行、健康など、一つか二つでも話題を用意しておけば、ちょっとした雑談を通して打ち解けやすくなります。

普段から「小さな相談(質問)」をするよう促す

こうして日頃から上司と話すことに慣れさせながら、最初は簡単な相談や質問を遠慮なくするように指導するといいでしょう。上司と会話がしやすい雰囲気が醸成されれば、臆することなく話しかけられるようになっているはずです。PHP通信ゼミナール『できる社員は相談上手! 人を動かす仕事術 アサーションの考え方を使って』には、次のように説明されています。

新たに仕事を任されたときには、「この仕事はどういう位置づけか?」「目的は?」「期限は?」など想像力を働かせて、今後仕事をする上で必要と思うことをどんどん質問しておきましょう。(中略)
不安なとき、行き詰ったと感じたときにも「これでいいでしょうか? 見ていただけませんか?」「ご確認をお願いします」など、どんどん小さな相談をしましょう。そうすることによって仕事を円滑に自信を持って進めていくことができ、また人間関係も深まります。

まずはハードルの低いところから、「質問力」「相談力」を徐々につけさせていくということです。日々、上司に質問をしてアドバイスを受けることで、若手社員は一歩ずつ成長していきます。

忙しそうな上司に相談するとき

会話がしやすくなり、相談を持ちかけやすくなったからといっても、忙しく働いている上司に対して、いつでも声をかけてよいというわけではありません。そのあたりの「間合い」の取り方も若手社員に説明しておきましょう。まずは「今、上司はどういう状況に置かれているのかを観察する」ことが大切です。重要な会議中はもちろん、パソコンに向かって集中して仕事をしているときや、アポイントがあって出かけようとしているときなどに、声をかけるべきではありません。仕事が一区切りついたとき、昼食前、昼食後などが、声をかけやすいタイミングです。緊急の場合は、会議室まで廊下を歩いているとき、外出時に玄関まで歩いているときをねらって、手短に相談するように指導します。

上司が苦手なタイプであったときには

誰にでも苦手な人はいます。そういう人とは「相性が悪い」「考え方が異なる」「仕事のペースが違う」といった理由で、コミュニケーションが取りづらいものです。しかし若手社員には、「苦手な上司からも得るものはある」ということを教えていくべきです。苦手な人とは、実は「自分にない考え方」や「別の価値観」を教えてくれる存在でもあります。その上司にすべて合わせる必要はありませんが、少なくとも「視野や考え方を広げる機会である」とアドバイスすることも重要です。

上司と共に問題解決できる社員を育てる

上司にもいろいろなタイプ、いろいろな考え方の人がいるのは当然です。若手社員にとっては、怖い上司や合わない上司に対して、どうしても委縮してしまう場合があるかもしれません。しかしそうした上司であっても、同じ会社に所属し、同じ商品・サービスを売っていく「仲間」であり「味方」であるということを伝えていきたいものです。
最後に、相談開始から会議を経て解決策を共有する問題解決のプロセスを整理しておきます。

(1)担当者レベルで事実確認

業務の中で大きな問題が生じたときには、まず上司と相談し、担当者レベルでミニ会議を開き、どういう状況でどういう問題が発生したのかという「事実」を確認します。

(2)DESCを使って解決策を立案

第二段階として、担当者同士で解決策を協議していきます。このとき、前回お話しした「DESC」を用いてディスカッションすると、話がまとまりやすくなるでしょう。

(3)上司の支援も得ながら関係部門責任者と会議を開く

上司の協力のもと、発生した問題に関わりのある部署の責任者全員に集まっていただき、対策会議を開きます。ここでも「DESC」の手順で話し合い、問題を共有し、解決策を検討します。

(4)会議でまとまった具体的な解決策を皆で共有

解決策がまとまったら文書化し、関係者全員で共有したうえで実行に移します。1カ月後とか3カ月後に、改めて関係者が集まって報告会を行い、効果を検証したうえでその後の対策を考えていきます。
若手社員全員がここまで完全に理解し、てきぱきと実行できるようになるまでには、ある程度経験を積んでいく必要があるでしょう。もちろん会社の成長のためには非常に重要な要素であり、人材育成の課題の一つとして、若手社員の「相談力」を伸ばしていけるよう取り組んでいきたいものです。

※本記事は、PHP通信ゼミナール『できる社員は相談上手! 人を動かす仕事術』のテキストを抜粋・編集して制作しました。

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森末祐二(もりすえ・ゆうじ)

フリーランスライター。昭和39年11月生まれ。大学卒業後、印刷会社に就職して営業職を経験。平成5年に編集プロダクションに移ってライティング・書籍編集の実績を積み、平成8年にライターとして独立。「編集創房・森末企画」を立ち上げる。以来、雑誌の記事作成、取材、書籍の原稿作成・編集協力を主に手がけ、多数の書籍制作に携わってきた。著書に『ホンカク読本~ライター直伝!超実践的文章講座~』がある。

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