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若手の「聴く力」を育てるには

2021年3月23日更新

若手の「聴く力」を育てるには

「聞き上手は話し上手」といわれることがあります。新入社員・若手社員のコミュニケーション能力を高めるためには、教育・研修やOJTを通して、「聴く」ことの大切さや「良い聴き方」を伝えていくことが大切です。

「聞く」と「聴く」との違い

いうまでもなくコミュニケーションは「双方向」で行うものです。よいコミュニケーションを取るためには、きれいな言葉を使って正しく話すことに加えて、「上手な聴き方」も習得する必要があります。ここで押さえておかなければならないのは、「聞く」と「聴く」とは意味合いが異なるということです。両者の違いについて、PHP通信ゼミナール『正しくきれいな話し方・書き方』のテキストから抜粋・要約します。

(1)聞く
音が自然に耳に入ってくる状態。人間が生まれつき持っている機能であり、健常であれば苦もなくできます。

(2)聴く
人間が意識的にエネルギーを使い、積極的に音を選択し、理解しようとすること。相手の話を集中して聴く訓練を積み重ねることで、できるようになります。ビジネスにおいてはもちろんこの「聴く力」が重要です。

「聴く」ことで得られるメリット

集中して「聴く」ことには次のようなメリットがあります。

  • 話し手の話す内容がよく理解できるので、双方向のコミュニケーションが成立しやすい。
  • 話し手と心の交流が図れる。

よく知られているマズローの「欲求5段階説」にあてはめて考えてみましょう。まず、しっかりとしたコミュニケーションが取れることによって、友情や愛情を求める第3段階の「社会的欲求」が満たされる可能性が高まります。さらに話を聴いてその内容を認めてもらうことで、自分を認めてもらいたいと願う第4段階の「承認の欲求」も満たされます。相手の話を「聴く」ことでこれらの欲求が満たされ、良好な人間関係が築かれていくのです。

さまざまな「ノイズ」がコミュニケーションを邪魔する

会話をしていて、相手とかみ合わなかったり、聴いているつもりなのに頭に入ってこなかったりすることがあります。そうしたコミュニケーションを阻害する原因となる要素は「ノイズ」と呼ばれています。ノイズには次のような種類があります。

(1)外的・物理的ノイズ
騒音とか、マイクの調子が悪いとか、相手の声が小さいといった外的・物理的要因。

(2)生理的ノイズ
聞き手の体調不良、寒すぎるとか暑すぎるといった環境の悪影響による集中力の低下。

(3)心理的ノイズ
聞き手が抱えている心配事、多忙で心に余裕がなくなっている状態、話し手への好悪の感情、思い込みや先入観など。

上記のうち、「心理的ノイズ」が最もコミュニケーションを妨害します。特に「好きではない相手」の話は素直に聴くことができませんし、何らかの先入観がある場合も、素直に受け止めることができません。ノイズの存在に気づき、できるだけノイズを排除して会話をするよう努めることが大切です。

「良い聴き方」のポイント

良い聴き方とは相互に「ラポール」を作り出す聴き方だといわれています。「ラポール」とは、「心地よく安全で信頼できる関係」を意味する臨床心理学の用語です。聴き手が注意すべきポイントには次のようなものがあります。

  • 雑念を取り払う
  • 「ながら聞き」をしない
  • あいづちや質問など的確なフィードバックを行う
  • 感情的にならない

「正確な聴き方」のポイント

新入社員や若手社員が、上司や先輩の指示をきちんと理解して実行できるようになるためには、「正確な聴き方」を身につけてもらう必要があります。正確に聴くための具体的な方法をいくつかご紹介します。

  • 話の内容を理解しながら返事をする
  • 筆記用具を持ってメモを取りながら聴く
  • 「5W2H」にそって質問をし、情報に漏れがないように気をつける
  • 復唱する
  • 優先順位を確認する

※「5W2H」=when(いつ)、where(どこで)、who(誰が)、what(何を)、why(なぜ)、how(どのように)、how much(いくら)

「ノンバーバルコミュニケーション」にも注視しよう

人間は必ずしも本当のことだけを話しているわけではありません。例えば問題を抱えて暗い顔をしている人に「どうかしましたか?」と尋ねても、その人は相手に心配をかけないために「何でもありません」と答える場合があります。口から発する「言葉」と「事実」が食い違っているということです。より深くコミュニケーションを取り、相手の本音を察知するためには、言語以外の「ノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)」についても理解しておく必要があります。

相手の体から「ウソの信号」が出ている

ノンバーバルコミュニケーションの手段としては、「身振り」「手振り」「視線」「表情」「対人距離」「服装」「声の調子」などが挙げられます。また、デズモンド・モリスという動物行動学者は、ウソが表れやすい信号として、「汗をかく(自律神経信号)」「貧乏ゆすりをする(下肢信号)」「胸を張ったり、胸がしぼんだりしている(体幹信号)」「微妙な手の動き」「表情」などあることを指摘しています。このように人間の特質を深く知ることも、新入社員・若手社員の「聴く力」を高めていくうえで重要な要素となるでしょう。

※本記事は、PHP通信ゼミナール『正しくきれいな話し方・書き方』のテキストを抜粋・編集して制作しました。

通信教育『正しくきれいな話し方・書き方』はこちら

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森末祐二(もりすえ・ゆうじ)
フリーランスライター。昭和39年11月生まれ。大学卒業後、印刷会社に就職して営業職を経験。平成5年に編集プロダクションに移ってライティング・書籍編集の実績を積み、平成8年にライターとして独立。「編集創房・森末企画」を立ち上げる。以来、雑誌の記事作成、取材、書籍の原稿作成・編集協力を主に手がけ、多数の書籍制作に携わってきた。著書に『ホンカク読本~ライター直伝!超実践的文章講座~』がある。

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