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女性リーダーの悩みを解決! 研修の内容や実施時のポイントを徹底解説

2022年3月22日更新

女性リーダーの悩みを解決! 研修の内容や実施時のポイントを徹底解説

政府が掲げる女性活躍推進や「女性活躍推進法」の施行、あるいは労働人口の減少、労働力不足をうけて、女性リーダーの育成に注力する企業は少なくありません。しかし、女性リーダーは、さまざまな悩みを抱えることがあります。そこで今回は、女性リーダーの悩みを解決できる研修について解説します。

INDEX

女性リーダーがもたらすメリット

政府が掲げる女性活躍推進や労働人口の減少により、多くの企業は女性リーダーの育成に力を入れています。
「女性活躍推進法」では、事業主に「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・届出」および「女性活躍推進に関する情報公表」を義務付けていて、その対象は、2022年4月1日から、常時雇用する労働者数が101人以上の事業主となりました。

女性リーダーの存在は、次のようなメリットを企業にもたらすといわれます。

  • 企業の業績をあげることができる
  • 優秀な人材が集まる
  • 社員の働く意欲を向上させることができる

それぞれのメリットについて詳しく確認しましょう。

1.企業の業績をあげることができる

厚生労働省委託事業の一環で実施された調査(※1)によると、過去5年間で女性管理職の割合を増やした企業は、業績が増加傾向にあることが明らかになりました。この調査から、女性活躍の推進への取り組みと企業の業績には相互関係にあることがわかります。
日本だけではなく、海外でも女性活躍の推進が企業の業績向上に繋がることが発表されています。
企業の業績向上のためにも、経営課題として女性リーダー育成に取り組み、研修を実施するなどの人材育成施策によって、職場で女性が活躍できる環境を整えることが欠かせないといえるでしょう。

※1男女共同参画会議 基本問題・影響調査専門調査会 女性と経済 ワーキング・グループ(第8回)提出資料

2.優秀な人材が集まる

女性リーダー育成の取り組みに力を入れ、それを企業の方針として公表することによって、企業イメージがアップし、人事採用で優秀な人材を集められるというメリットがあります。

結婚や出産を機に一旦仕事を離れ、育児がひと段落してから仕事に復帰したいと考える女性も多いようです。仕事復帰の際には「時間の融通は利くのだろうか」「職場の人に迷惑をかけないだろうか」といった不安を抱えてしまうことがあります。そうした女性の不安や悩みに応える制度や態勢を整えることは、優秀な人材を確保するのに有効です。女性活躍の推進を目指す企業であれば、ぜひ制度を整えておきたいものです。
特に、近年は少子高齢化による労働人口の減少で、人材確保が経営課題となっている企業も少なくありません。女性活躍の推進によって企業イメージを向上させることができれば、優秀な人材を獲得する機会に繋がるでしょう。

社員の働く意欲を向上させることができる

職場に女性リーダーが増えると、社員は公平な評価のもとに昇進できるといった印象を抱きます。特に、女性社員のなかには「たとえ仕事を頑張ったとしても、自分は昇進できないのではないか」といった不安を感じる方も多くいるのです。そういったなかで女性リーダーが活躍する姿を見れば、女性社員は仕事にやりがいを見出せるでしょう。また、男性社員も女性社員に負けじと業務に励むため、職場全体で仕事に対する意欲を上げられます。
また、社員一人ひとりの仕事に対する意欲が向上すれば離職を防止できるため、優秀な人材が他社に流出するリスクを抑えられるメリットもあるでしょう。

女性リーダーが抱える主な4つの悩み

女性リーダーの悩み

女性社員のなかには、管理職に就きたくないと考える方も多くいます。このような考えに至るのは、女性リーダーが悩む姿を近くで見て「大変だ」と感じることが多いからです。女性リーダーが抱える代表的な悩みには、次のようなものが挙げられます。

  • 目指すべきロールモデルがいない
  • 仕事とプライベートを両立できない
  • 「女性なのに」「女性だから」と言われてしまう
  • 職場で孤立してしまう

1.目指すべきロールモデルがいない

管理職に就きたいと考える女性社員は多くありません。このように考える原因の一つには、目指すべきロールモデルがいないことが挙げられます。
社内に女性リーダーがいたとしても、その人が多くの業務を抱えて悩む姿を近くで見ていると、「自分には無理だ」といった考えに至ることも多いのです。企業としては、自らリーダーになりたいと女性社員に思ってもらえる取り組みを行う必要があります。

2.仕事とプライベートを両立できない

リーダーになると、自分の仕事をこなすというだけではなく、部下のマネジメントをはじめとする管理業務がはいってきますので、業務量が増えることになります。リーダーになることで職務上の責任も大きくなるため、育児や介護といった事情を抱える女性リーダーは、仕事とプライベートを両立できないといった悩みをもつケースが出てきます
仕事とプライベートをうまく両立できない状態が続くと、自分に自信が持てなくなってリーダーを辞めたいと考える方もいます。これでは優秀な女性社員を採用、育成し、リーダーに抜擢しても辞めてしまう。そしてまた採用、育成して辞める、といった負の連鎖が起こってしまうのです。
さらには、自分のライフイベントと仕事との両立を考えたときに、大変そうな女性リーダーの姿を近くで見て、漠然とした不安を抱えてしまう女性社員も出てきます。
こうした事態を避けるためには、女性リーダーが無理なく働けるように、相談に乗ることができる体制や、業務をサポートする体制を整えることが求められるのです。

3.「女性なのに」「女性だから」と言われてしまう

女性リーダーの場合、本来であれば誰もが利用できるはずの時短勤務制度や育児休暇を、取りづらいと悩むケースも少なくありません。時短勤務制度の利用や育児休暇によって仕事から離れる時間が長くなるため、「周りに迷惑をかけるのはまずい」と考えてしまうのでしょう。あるいは周りから「女性なのに」「女性だから」といわれてしまうことを恐れ、そうした制度を利用できない人も少なくありません。なかには、「リーダーの仕事を全うするには結婚や出産を諦めるしかない」と考える方もいるようです。
しかし、出産や育児に関する諸制度は、リーダーであるかどうかに関わらず、誰しもが利用できるはずのものです。女性リーダーが、気持ちよく制度を利用したり休暇を取得したりできるように、社内の環境を整える必要があるでしょう。

4.職場で孤立してしまう

日本では未だ女性管理職の割合が少ないため、女性リーダーのなかには、孤独を感じる人もいるようです。男性管理職のなかでは特別視され、女性社員からは遠い存在と思われ、社内で孤立するのです。
そのような状況になると、女性リーダーは、誰にも悩みを相談できないという孤独に苛まれます。さらに、会社からの期待が大きいと、男性よりもプレッシャーを感じることもあるでしょう。このような状態を放置すると、最悪の場合、孤立に耐えられなくなって「管理職を辞退する」あるいは「辞職する」ということにつながりかねません。
人事としては、仕事やあるいは精神的に行き詰まったときに相談できるよう、女性リーダーに対するメンター制度を導入するなど、多方面から女性リーダーを支える環境を整えることに注力するといいでしょう。

女性リーダー研修のカリキュラム

女性リーダーの活躍を支援する施策の一つとして、研修を実施する企業が増えています。女性リーダーや、候補者を対象にした研修カリキュラムには、次のようなものがあります。

  • ステップアップ研修
  • ゴール研修

ステップアップ研修は、女性活躍の意義を理解し、リーダーとして活躍するためのスキルとマインドについての知識を深める集合研修です。例えば、ステップアップとキャリアについて考えたり、ステップアップに必要な物事の捉え方を学んだりします。
ゴール研修とは、ステップアップ研修で習得したスキルやマインドを再確認して職場での実践に繋げる集合研修です。研修前半ではリーダーシップとは何かについて学び、研修後半では実践課題に取り組んで実践に必要なスキルを学びます。

女性リーダーの上司を対象にした研修も!

女性リーダー、あるいは候補者の研修とあわせて、女性リーダーの上司を対象にした研修を行いましょう。女性活躍の意義と自らの役割を認識してもらい、女性リーダーをサポートできる体制をつくるために欠かせません。
職場の上司を対象にした管理職研修では、女性リーダーを支援する考え方やスキルを習得するカリキュラムが組まれます。

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女性リーダー研修 3つの実施ポイント

女性リーダー研修のポイント

女性リーダー研修を実施し、期待する効果を得るために、おさえておくべきポイントをご紹介します。

  • 研修担当者に女性講師を選ぶ
  • 女性リーダーの強みを強化する
  • オンライン研修を検討する

それぞれのポイントを確認していきましょう。

1.研修担当者に女性講師を選ぶ

女性リーダー研修の講師には、リーダーとして活躍した経験がある女性を選ぶのがおすすめです。受講者は、講師の実体験のなかから、女性リーダーとしての働き方や部下への接し方、仕事とプライベートの両立などを学ぶことができます。
社内に女性リーダーの経験者がいない場合は、外部の女性講師による研修を企画することもできます。受講した女性リーダーが、ロールモデルを見つけることにもなります。

2.女性リーダーの強みを強化する

女性は一般的に、社会性が高く、周囲とコミュニケーションを取るのが上手という強みがあるといわれます。例えば、体調が悪そうだったり、会議で意見が言いたいのに言い出しにくい様子だったりなど、部下の状態を把握しながら適切にサポートできるという方も多いようです。
状況に応じて柔軟に対応してくれるリーダーの存在は、部下にとって心強く、一人ひとりが安心して自分の力を発揮できる環境の実現にもつながるでしょう。このような女性特有の強みを強化できる研修を実施することが大切です。

3.オンライン研修を検討する

小さな子どもがいる女性の場合、研修に参加するにも、泊まりが難しいこともあります。このような場合は、オンライン研修を検討してみてはいかがでしょうか。女性ならではの悩みに配慮することで、参加意欲も高めることができます。
時間や場所にとらわれないオンライン研修であれば、研修で拘束されるのが障壁になってリーダーになることを躊躇している女性社員にもチャンスを与えることにつながるかもしれません。女性リーダー研修では、参加者の負担をできるだけ軽減できる方法を検討してみましょう。

参考記事:オンライン研修のメリット・デメリット、事務局の役割

まとめ

女性リーダー研修

女性活躍推進や労働人口の減少により、女性リーダーの育成に力を入れる企業が増えています。しかし、仕事とプライベートを両立できなかったり、職場で孤立してしまうことが多かったりなど、女性リーダーはさまざまな悩みを抱えているものです。
一方、職場で女性リーダーが悩む姿を見て、「自分にはできない」と管理職になることに消極的な考えを持つ女性社員がいます。女性リーダー研修を実施して管理職のマインドやスキルを強化するとともに、女性リーダーになりたいと思えるような環境を社内で整えることが大切なのです。

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