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ハイブリッドワークとは? テレワークとの違いとメリットを解説

2023年12月 7日更新

ハイブリッドワークとは? テレワークとの違いとメリットを解説

テレワークを導入した後、ハイブリッドワークに切り替える企業が増えています。社内からハイブリッドワークを希望する声も多く、今後の導入を検討している企業もあるでしょう。ハイブリッドワークの導入で、生産性向上などのメリットが期待できます。本記事では導入時の注意点やメリットについて、詳しく紹介します。

INDEX

ハイブリッドワークとは?テレワークとの違い

ハイブリッドワークとは、従来の出社型であるオフィスワークと自宅などで働くテレワークを選択して働くワークスタイルです。近年ではオフィスか自宅かだけではなく、シェアオフィスやコワーキングスペースなども働く場として選ばれています。企業によっては週2日など最低限の出社日が設けられていたり、全員出社日が設定されていたりする場合もあるでしょう。

ハイブリッドワークが必要とされる背景

ハイブリッドワークが注目されている理由は、コロナ禍による急速なテレワークの普及です。各企業がテレワークを導入した結果、メリットだけでなく、さまざまな課題も見えてきました。
たとえば、オフィスに出社しなくなったことで、従業員間のコミュニケーション不足といった問題が生じたり、従業員の健康状態の管理が難しくなったりしました。また自宅の作業環境やセキュリティ面などでも、課題が見えてきました。そうした課題を解決するために注目を集めているのが、ハイブリッドワークです。ハイブリッドワークは、在宅勤務やオフィスワーク、シェアオフィス利用など、いくつかの働き方を組み合わせるワークスタイルです。従業員一人ひとりの仕事内容にあわせた働き方ができることから、注目を集めています。

ハイブリッドワークとテレワークとの違い

テレワークといえば在宅勤務のイメージが強いかもしれませんが、自宅だけではなくコワーキングスペースやシェアオフィスなど、場所にとらわれない柔軟な働き方をいいます。ICTの活用により、オフィス以外のさまざまな場所で業務を行えるようになりました。たとえば、旅行先のリゾートで働くワーケーションなど、働く場所によってさまざまなテレワークがあります。勤務場所だけではなく、移動中など時間にもとらわれない働き方を総称してテレワークと呼んでいます。

ハイブリッドワークは、オフィスワークも行うという点でテレワークと同じではありません。組織の規定に基づいて、一週間のうち3日はテレワークを行い、2日はオフィスで働くといったようなスタイルが、ハイブリッドワークと呼ばれています。

ハイブリッドワークの4つのメリット

ハイブリッドワークの4つのメリット

新しい働き方であるハイブリッドワークには、次の4つのメリットがあります。

●オフィススペースを活用できる
●生産性向上につながる
●離職率低下が期待できる
●優秀な人材を採用できる

柔軟な働き方ができることは、企業にとっても従業員にとってもメリットがあります。それぞれ簡単に紹介していきます。

1.オフィススペースを有効活用できる

ハイブリッドワークを導入すると、少なからず出社する従業員の数が減少するでしょう。出社の際も自分の席で作業する必要がなく、従来のオフィスワークに比べるとオフィススペースに余裕が生じるため、空いたスペースを有効活用できます。
たとえば、空いたスペースに休憩場所や集中ブースを設けることで、より働きやすいオフィスを構築できるでしょう。場合によってはオフィス全体の規模を小さくすることで、固定費である賃料を削減できます。ハイブリッドワークの導入ではオフィススペースの有効活用に加えて、コストの削減といった効果も期待できるのです。

2.生産性向上につながる

ハイブリッドワークを導入すれば、従業員は自分の業務に合わせた働き方を選択できるようになります。オフィスにおいて社員同士で直接話し合いながら進める業務もあれば、1人で集中して取り組む業務もあるでしょう。自分の抱えている仕事の状況によって、適当な働き方を選べます。
そのため業務の効率化が図れたり、無駄な移動時間を削減できたりするでしょう。従業員一人ひとりが効率よく働けるようになるため、生産性の向上が期待できます。

3.離職率低下が期待できる

従業員が自分で働き方を選択できるようになることが、ハイブリッドワークの魅力といえます。従来のオフィスワークでは自分の意思で働き方を選べないため、業務が受け身になりがちです。ハイブリッドワークであれば自分で考えて働き方を選択するため、主体性を持って取り組めるようになるでしょう。
モチベーションの向上に加えて、人間関係の負荷を軽減できます。ONとOFFの切り替えもしやすくなるため、ワークライフバランスの改善やストレス軽減につながるはずです。ハイブリッドワークによって離職率低下が期待できるでしょう。

4.優秀な人材を採用できる

働きやすい環境を整備すれば、求職者への強みになります。職場を選ぶ際に働きやすさやワークライフバランスを重視している人は多く、ハイブリッドワークの導入はリクルートにもよい影響があるでしょう。働き方を選択できることは、介護や子育てとの両立も行いやすいです。
従来のオフィスワークでは時間の調整が難しく、介護や出産を機に退職する方も少なくありませんでした。ハイブリッドワークを導入すればさまざまな人材が集まりやすくなり、優秀な人材を確保できるようになるでしょう。

ハイブリッドワークを導入するうえでの注意点

ハイブリッドワークにはメリットだけではなく、次のような注意点があります。

●コミュニケーションを円滑に進めるための施策が必要
●勤怠管理が複雑化しやすい
●従業員の働きぶりを評価しづらい
●エンゲージメント低下の可能性がある

ハイブリッドワーク導入の際には、これらの注意点をよく理解しておきましょう。

コミュニケーションを円滑に進めるための施策が必要

ハイブリッドワークにおける注意点の1つが、従業員同士のコミュニケーションが不足しやすいことです。従来のオフィスワークに比べると、ハイブリッドワークでは情報交換が円滑ではありません。従業員ごとの出社頻度に差があれば、情報格差が生まれやすくなります。
ハイブリッドワークを導入する際には、このようなコミュケーション不足を解消するための施策が必要です。たとえばテレワーク中であっても、定例的にWebミーティングを行うといったように、情報共有しやすい仕組みを作りましょう。チャットツールを導入すれば、気軽にリアルタイムで情報交換が行えます。

参考記事:テレワークでのコミュニケーション不足を解消する工夫とは?│PHP人材開発

勤怠管理が複雑化しやすい

ハイブリッドワークでは、従業員が自分の意思で働き方を選択するため、勤怠管理が複雑になります。勤怠管理の難しさはテレワークでもいわれていましたが、オフィス勤務が加わるハイブリッドワークではさらに複雑化します。
勤怠管理をスムーズに行うためには、勤怠管理ツールやグループウェアの導入が欠かせません。ハイブリッドワークでは緊急トラブルや急な会議にも対応にしくいため、緊急時にも対応できるようなルールを整備しておくとよいでしょう。

従業員の働きぶりを評価しづらい

テレワーク中の業務には、オフィスワークに比べると適正な評価が難しいという課題があります。評価を適正に行わなければ、従業員の士気低下にもつながりかねません。
働く場所にかかわらず従業員の働きぶりを正当に評価するためには、目標管理ツールや工数管理ツールの導入が効果的です。業務を可視化することで、働く場所に関係なく適切な評価が行えるようになるでしょう。

エンゲージメント低下の可能性がある

オフィスワークに比べると、ハイブリッドワークでは出社回数が少なくなるため、組織のビジョンや方向性などに接する機会が減少します。そのためテレワークの回数が多ければ多いほど、エンゲージメントが低下する可能性があるでしょう。オフィスは単に働く場所というだけではなく、従業員同士のコミュニケーションを維持したり、組織のビジョンを共有したりする場でもあります。
ハイブリッドワークを導入するためには、定期的な出社日や全員出社日などを設けるとよいでしょう。オフィスに出社したくなるような工夫を行い、テレワークとオフィスワークをバランスよく行えるようにする必要があります。

参考記事:テレワーク時代に社員を成長させるための課題とは?│PHP人材開発

ハイブリッドワーク成功に向けた5つのポイント

ハイブリッドワーク成功に向けた5つのポイント

前述したような課題を解決し、ハイブリッドワーク導入を成功させるためには、次の5つのポイントがあります。

●オフィス環境を整備する
●ICT環境を整備する
●セキュリティ教育を徹底する
●緊急時の対応策を講じておく
●ハイブリッドワークを支える仕組みを構築する

1.オフィス環境を整備する

ハイブリッドワークの導入成功には、従来のオフィス業務のような固定席を廃止してフリーアドレスを導入するなど、オフィス環境の整備が欠かせません。ハイブリッドワークを導入すると、全社員が毎日出社するといった状態ではなくなります。そのため固定席を廃止し、空いたスペースを集中ブースやミーティングスペースとして活用すれば生産性が高まるでしょう。
せっかくハイブリッドワークを導入しても、従来の固定席のままではオフィスペースが無駄になってしまいます。出社する社員が少ないため閑散としてしまい、活気のない雰囲気になってしまうでしょう。ハイブリッドワークに合わせたオフィス環境を整備することが成功のポイントです。

2.ICT環境を整備する

オフィス環境だけではなく、ICT環境の整備もハイブリッドワークの導入成功には欠かせません。オフィスのPCをテレワーク先から遠隔操作できるようにしたり、オフィスPCを持ち帰れたりする必要があります。テレワーク先でもオフィスと同じような作業環境を整えることで、効率が悪くなることを防ぎます。
Web会議システムや勤怠管理システムも忘れずに導入しましょう。テレワーク中のコミュ二ケーション不足や勤怠管理の難しさがハイブリッドワークの課題であるため、オフィスと同様の業務を行える環境設定が必要です。

3.セキュリティ教育を徹底する

ハイブリッドワークのメリットの一つに、働く場所を選ばないということがあります。シェアオフィスやコワーキングスペース、ときにはカフェやホテルのロビーなど、不特定多数の人が出入りする場所もあるでしょう。そのため従業員に対して、セキュリティ教育を徹底する必要があります。
まずは、個人情報や会社の機密情報の扱いについての教育を実施し、会社の規則を徹底して意識付けを行いましょう。加えて、セキュリティソフトやセキュリティ対策ツールを搭載したでデバイスを貸与することも必要です。

4.緊急時の対応策を講じておく

ハイブリッドワークには、急な会議やトラブルなどの緊急時対応に課題があります。担当者が出社していない場合の取引先への対応など、事前に対応策を講じておくようにしましょう。いざトラブルが起こった際に冷静な対処が可能になります。
自然災害などの緊急時に、事業継続や早期復旧ができるようにするBCP(事業継続計画)を定めておくことも必要です。いざというときの対策を講じておくことで、スムーズにハイブリッドワークの導入ができるでしょう。

5.ハイブリッドワークを支える仕組みを構築する

緊急時の対応策だけではなく、出社ルールや報告・連絡・相談の行い方など、ハイブリッドワークの土台となる仕組みを構築しておきましょう。ハイブリッドワークを導入すると、「いつ出社したらよいか」や「出社の回数によって不公平が生じるのではないか」などの疑問が生じます。
従業員の混乱を防ぐ意味でも、出社日の設定や出社日数の目安、報告や相談のルールを儲けましょう。ハイブリッドワークでは同僚や上司、部下がそれぞれ別の場所で働くため、業務上の情報共有がオフィスワークに比べると困難です。ハイブリッドワークにおいて生じる日常業務の課題について、仕組みを構築しておくことが解決の秘訣です。

まとめ:ハイブリッドワークを導入し生産性向上を目指そう

ハイブリッドワークを導入し生産性向上を目指そう

テレワークにオフィスワークを組み合わせたハイブリッドワークは、現在多くの企業で導入が検討されています。コロナ禍で急速にテレワークの普及が進みましたが、従業員のコミュニケーション不足などの課題が生まれました。そのため、オフィスワークも含めた働き方ができるハイブリッドワークが注目されています。
テレワークだけではなく、オフィスワークを含めた働き方の選択が自分の意思でできるため、生産性向上や離職率の改善を期待できるのがハイブリッドワークです。多様な働き方を許容することは自社の強みにもなるため、リクルートにもよい影響があるでしょう。メリットの多いハイブリッドワークをスムーズに導入するためには、オフィス環境の整備やセキュリティ対策といった施策が欠かせません。
ハイブリッドワークを導入することでテレワークよりも柔軟な働き方が実現するため、企業の更なる発展を目指せるでしょう。

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