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コミュニケーション研修とは? 目的や具体的な研修内容を解説

2024年2月14日更新

コミュニケーション研修とは? 目的や具体的な研修内容を解説

コミュニケーション研修は、組織で働くうえで必須のコミュニケーション力を習得することに特化した座学や実践を織り交ぜた研修です。新入社員や中堅社員、管理職など階層別に学習内容が変わることが特徴です。今回はコミュニケーション研修の目的や学ぶ事柄、成功のポイントについて解説します。

INDEX

コミュニケーション研修とは?

コミュニケーション研修とは、組織で働くうえで必要となるコミュニケーション力を習得するための研修です。社内外で、年齢や性別、立場の異なる人と関わるビジネスパーソンには、相手とスムーズに意思疎通を図り、良好な関係を構築するためのスキルが求められます。従業員一人ひとりがコミュニケーションスキルを向上させることによって、組織の業務円滑化や、生産性向上を図ることができます。
コミュニケーション能力は、すべての仕事の基盤となるため、新入社員からマネジャー、経営層まで、役職や立場に関わらず必要です。しかし、階層別に求められるスキルが変わります。専門性の高いスキルを学ぶ場合など、必要に応じて外部から講師を招いて研修を実施することで、より大きな成果が得られるでしょう。

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コミュニケーション研修を実施する目的やメリット

階層別研修や職種別研修、ビジネススキル研修が存在するなか、特にコミュニケーションに特化した研修を実施する意義はあるのでしょうか。答えはイエスで、コミュニケーション研修を実施することで、さまざまなメリットが期待できます。目的やメリット、どのような効果があるかを確認していきましょう。

従業員同士の関係性が向上する

研修によって社内のコミュニケーションが活性化すれば、従業員同士の関係性の構築に役立ちます。
職場で会話をする機会が不足していると、つながりや連帯意識が希薄になります。同僚や上司と最低限の業務の話しかしない環境では、やりがいを持ちにくく、仕事に対する満足度まで低下しかねません。
コミュニケーション研修で、コミュニケーションの大切さやスキルを学び、職場で実践すれば、コミュニケーションが質・量ともに向上し、従業員同士の関係が良くなることも期待できます。

ビジネスパーソンとしてスキルアップできる

コミュニケーション研修では、人の話を聞く力や、自分の意見を分かりやすく伝える力など、人との関わりで重要なスキルを伸ばすことができます。また、コミュニケーションの前段階として必要になる社会人としての身だしなみや言葉遣い、挨拶なども学びます。
相手にとって適切なタイミングを見極め、言葉遣いや話し方に気を配りながら、不快感を抱かせずに自分の意見を伝えることができれば、本人の自信につながり、仕事力を高めるために大いに役立ちます。

生産性向上につながる

意思疎通が円滑になり業務がスムーズに進めば、生産性の向上につながります。
たとえば、情報の伝達に抜け漏れがあれば、取引先から事前に伝えた内容と違う成果物が出されたり、部下が意図とは異なる行動を取ったりと、仕事に無駄が生じかねません。
研修によって、コミュニケーションスキルを習得すれば、取引先との関係も改善し伝達がスムーズになります。また、部下への指示も円滑になります。職場での情報共有が進めば、生産性の向上も期待できるでしょう。

人材の定着・離職率改善が期待できる

人材の定着や離職率の改善に役立つことも、コミュニケーション研修の大きな利点です。セクハラやパワハラなど直接的な理由以外にも、社内の人間関係を理由とする離職・転職は後を絶ちません。
コミュニケーションに問題を抱える企業は、往々にして社内に険悪な雰囲気が蔓延し、従業員同士が不仲です。気軽に相談できる環境でもないため、悩み事やトラブルが生じても誰にも打ち明けられず、悶々としている若手社員もいるはずです。こうした環境に耐えられず「人間関係が良好な環境で働きたい」「もっと自分を評価してほしい」と感じて、会社を辞める決断をするのです。
コミュニケーション研修を受けた上司が、得た知見を実践できれば、職場の雰囲気は良くなります。業務やプライベートに関する悩みや心配事を気軽に打ち明けられるようになると、従業員は居心地良く感じて、会社を辞めようとは思わなくなるでしょう。

顧客や取引先との関係性が向上する

コミュニケーション研修で身に付くのは、相手の気持ちに配慮しつつ、自分の意思を分かりやすく伝える力です。これらは顧客や取引先との円滑なやり取りに役立つ能力です。
従業員のコミュニケーションスキルが未熟であると、言葉足らずや不愛想な対応が原因で相手を怒らせてしまうことがあります。最悪の場合、取引の停止や契約の解消など会社に実害が生じるケースを引き起こします。
さらにプレゼンテーション力や提案力をはじめ、利益に直結する高度な能力の習得も可能です。コミュニケーション研修では社外の多様なステークホルダーと良好な関係を気付く力を伸ばし、ひいては事業の拡大にもつながります。

コミュニケーション研修の主な内容

コミュニケーション研修の主な内容

コミュニケーション研修で学ぶ内容は、主に話し方と聴き方に分けることができます。

相手に気持ちが伝わる「話し方」

コミュニケーション研修では敬語や言葉遣いを含め、伝えたい事柄を相手に伝えられる話し方を学びます。
「伝える」と「伝わる」の字面は似通っていますが、同じ意味ではありません。情報を伝達する側は相手に伝えたつもりでも、聞き手が正確に内容を理解しているとは限らないからです。
ビジネスシーンでは、限られた時間で論理的に話すことが求められます。また、立ち振る舞いや表情など言葉以外にも目を向け、こちらの真意が伝わる話し方を心がける必要があります。コミュニケーション研修では、考え方やスキルを実践的に身につけることで、話すことへの苦手意識を払拭し、意思疎通ができる話し方を習得するきっかけをつくることができます。

相手を理解する「聴く力」

相手と良好な関係を築くために、話す力と同じくらい重要になるのが聴く力です。コミュニケーションは言葉のキャッチボールとも呼ばれ「話す」→「聴く」→「話す」→「聴く」の繰り返しで成り立っています。良好なコミュニケーションを成立させるには、相手の話す内容を理解するための聴く力が欠かせません。
コミュニケーション研修では、同僚や上司、部下の話に耳を傾ける重要性や、上手な聴き方について学びます。研修で学んだ内容を自分のものにできれば、しっかり聴くことによって相手に信頼されるとともに、相手の人となりをしっかり理解しながらより良いコミュニケーションができるようになるでしょう。

【階層別】コミュニケーション研修の内容

コミュニケーション研修は、対象となる階層によって学ぶ内容を変える必要があります。ここでは、新入社員から中堅社員、管理職まで、階層別に研修プログラムにとりいれたいスキル等をご紹介します。

新入社員~若手社員

新入社員や若手社員は、コミュニケーションの基礎的なマナーを理解したうえで、自分の意見を発信するスキルを身に付けることが大切です。特に、上司や先輩から業務の教えを請う機会が多い新入社員には、指示の受け方や質問の仕方をまずは習得してもらいましょう。
新入社員~若手社員向けの研修では、職場で実践できる基礎的な内容を学ぶ研修プログラムにするのがポイントです。

報告・連絡・相談の基本

若手には仕事の進め方や受け方などコミュニケーションの基礎に加え、報連相の基本を学べる研修がおすすめです。報告・連絡・相談を適切に行うことができれば、まだメンバーとして日が浅いながらも、チームの戦力として活躍できます。
新入社員や入社間もない社員によくある悩みが「報・連・相をどこまで行えばよいか分からない」というものです。報告の頻度が少なくて叱られることもあれば、「いちいち細かいことまで伝えなくて良い」とたしなめられることもあります。また、上司が忙しそうにしていて話しかけにくい状況も、ありがちなシチュエーションです。
若手向けのコミュニケーション研修では、適切な報・連・相の頻度やタイミングを学ぶことが可能です。ロールプレイングやケーススタディを取り入れて、実践形式で適切な対応を学びます。

アサーティブコミュニケーション

アサーティブコミュニケーションとは相手の気持ちや状況を尊重しつつ、自分の気持ちや意見を率直に伝えるためのスキルです。ビジネスシーンでは言い出しにくい事柄や、相手を怒らせる不安がある事柄でも伝えなければならない局面に見舞われます。
新入社員や若手社員の場合、たとえば休暇の取得を切り出す際や、ミスをしたときの報告などが該当するでしょう。また、キャパシティ寸前まで業務を抱えているのに新たに舞い込んだ仕事を断れないというケースもあるかもしれません。「先輩や上司の状況を考慮して、うまく伝える方法はないか」と悩むこともあるでしょう。
アサーティブコミュニケーション研修では、切り出しにくい内容でも、相手を不快にしないための伝え方の極意を学べます。講義とケーススタディ、ロールプレイングを織り交ぜ、実践的に学ぶことができれば、職場に戻ってすぐ役立つのも利点です。

中堅社員・リーダー候補

中堅社員になると、内外問わず多くの人々と接する機会が増えます。リーダー候補になる人もも出始め、社員教育にも熱が入るでしょう。
将来有望な中堅社員には、考えを論理的に伝える力や効果的な提案ができる力などが求められます。さまざまなプロジェクトで中心を担う彼らのコミュニケーション力が伸びれば、事業に与えるインパクトも少なくありません。
コミュニケーション研修では、フィードバックやリーダーシップの能力を習得します。

リーダーシップを発揮するためのスキル

プロジェクトのけん引役を期待されるリーダー候補には、新任管理職に必須となる傾聴力や質問力、指示だしのスキルが求められます。初めて仕事で人の上に立つ立場になると、部下との接し方やリーダーシップの発揮の仕方が分からず、右往左往するものです。
リーダーとして、組織のミッション・ビジョンやチームの方向性、自身の考え方を分かりやすく伝えるスキルは重要で、管理職になる前から鍛えておくことが必要です。しかし、それ以上に、メンバーの話を聴き、業務の進捗状況はスムーズか、トラブルは起きていないかなど、質問を投げかけながら、後輩のふりかえりと成長を促す力も求められます。
コミュニケーション研修では、リーダーシップ以外にも、褒め方・叱り方、モチベーションを惹きだす接し方、報告の受け方などをプログラムに組み入れましょう。

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フィードバック

指導する後輩の成長を促すには、先輩にあたる中堅社員からの効果的なフィードバックが重要になります。単なるダメ出しで終わらないためには、良い点も伝え、共に改善策を考えることが重要です。
従来、フィードバックは感覚的に行われてきた部分が大きく、もっぱら悪い点のフィードバックばかりが叱責に近い形で行われているケースもありました。しかし、それでは部下や後輩の共感は得にくく、成長にはつながりません。
コミュニケーション研修を実施して、フィードバックについての正しい考え方やスキルを習得し、職場で実践すれば、部下や後輩の成長につながります。中堅社員やリーダー候補へのコミュニケーション研修は、今後、管理職になったときにも活かせるよう、部下との関わり方や成長を支援する方法までを学ぶ内容にするとことが大切です。

中原淳監修フィードバック研修・研修動画はこちら

管理職

部長や課長など部下を束ねる立場の管理職が、適切なコミュニケーション力を身につけているかどうかは、組織に非常に大きな影響を与えます。そのため管理職を対象にしたコミュニケーション研修で、最もとりあげられているのは、コーチングのスキルです。また、会議やミーティングではファシリテーターとして議論を円滑に進める立場を担うケースが多いため、ファシリテーションのスキルも習得しておきたいものです。

コーチング

コーチングは管理職が新人リーダーや若手社員を育てるために欠かせないスキルです。一人ひとりのモチベーションを高め、自立性や主体性を伸ばすために、管理職には必ず身につけてほしいものです。
部下が自ら問題や課題の解決に取り組めるようになるには、上司の適切な働きかけが必要です。コーチング研修では傾聴力や質問力、部下に寄り添う承認力などを鍛えます。
コーチングを成功させるポイントは信頼関係です。信頼関係の醸成は心理学の用語で「ラ・ポール」とも呼ばれ、より良い指導をするための重要なキーワードに位置づけられています。職場で、部下が上司を信頼し、安心して仕事に取り組める心理的安全性が確保されていれば、上司の指導を受け入れやすく、成長にもつながります。

公開セミナー「コーチング研修」はこちら

ファシリテーション

会議やミーティングでは通常、管理職が司会進行の役割を担います。話し合いをうまくリードし、参加者の意見を引き出しつつ、時間内に結論を出すには、司会役のファシリテーションスキルが重要です。管理職がファシリテーションスキルをもっていれば、短時間に建設的な議論が実現しやすくなります。「いつも特定の人しか発言しない」「会議を開いても結局何も決まらずに終わる」などありがちな失敗のリスクも減ります。

コミュニケーション研修ではロールプレイングを通じて、実践的なスキルを習得することが重要です。場の雰囲気をつくる力や対人関係力、合意形成スキルなどが身に付き、中立的な立場で進行しながら、端的に議論をまとめあげる力を伸ばします。

参考記事:会議の生産性を高めるファシリテーションとは? メリットや進め方を解説│PHP人材開発

コミュニケーション研修の効果を高めるためのポイント

コミュニケーション研修の効果を高めるためのポイント

コミュニケーション研修は、顧客の獲得や利益の拡大といった数字に表せる成果を目標にすることが難しいという特徴があります。研修の効果を実感しにくいという面がありますので、次のポイントを意識して実施し、中長期的に組織やチームにさまざまなメリットをもたらすことを意識して取り組みましょう。

●対象者を明確にする
●研修の目的と課題を決定する
●実施後は研修内容を振り返る

対象者を明確にする

業務上求められるコミュニケーションのレベルは職位や年齢に応じて異なります。研修を企画する際には、はじめに対象者を明確にしましょう。階層別に実施するのであれば、先述のとおり、新入社員~若手社員、中堅社員・リーダー候補、管理職といった分け方があります。階層ごとにコミュニケーション上の課題があるため、対象者に刺さる内容にするには、対象の分類と絞り込みがとても重要です。

研修の目的と課題を決定する

コミュニケーション研修を通じて達成したいことや、解決したい課題を決めましょう。目標に適しているのは、ミスの減少や商談機会の増大など数値化できる項目です。また、前述した対象者が抱きやすい問題と結びつくような課題の選定が求められます。
研修の目的や受講後に達成したい事柄は事務局側で把握すれば良いのではなく、受講者にも周知を図ることがポイントです。ゴールが明確であれば、研修を受ける側はより前向きに取り組みやすくなるためです。

実施後は研修内容を振り返る

研修はやりっぱなしにせず、実施後に研修内容を振り返る場を設けることが非常に重要です。せっかくコミュニケーションスキルを身に付けても、時間の経過によって忘れてしまっては意味がありません。
また、コミュニケーション研修で学んだ内容は、職場で繰り返し実践をすることで徐々に自分のものになっていきます。研修を振り返る機会を設け、レポートの提出やプレゼンテーション、アンケートの作成などに取り組んでもらいましょう。研修後、研修で得た知識の定着を図り、実務に活かせるようにしたいものです。
振り返りは、研修の受講者だけでなく、企業側にとっても重要です。費用や時間をかけて実施した研修が本当に効果があるのか、受講者の顔色だけでは判断できません。アウトプットで得た反応を通して研修の内容がどの程度頭に入っているか分かります。

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まとめ:目的にあわせ効果的なコミュニケーション研修を実施しよう

コミュニケーション研修では対象となる層を特定し、従業員の課題を解決に導くような内容が求められます。対象者や目的に応じてプログラムの内容を変えることで、効果的な研修が実現します。対象者の分類や課題の十分な洗い出し、適切な目標の設定ができれば、コミュニケーション研修は成功しやすくなります。
まずは自社のコミュニケーションで生じている問題を特定し、とくに教育が必要な階層を見極め、研修計画を立てると良いでしょう。

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