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パワハラチェックリストで上司の指導を確認

2017年12月 3日更新

パワハラチェックリストで上司の指導を確認

あなたの職場では、管理職・上司の立場にある人に、パワハラ教育ができていますか? 上司の日頃の指導や意識はどうでしょうか。チェックリストで確認してみましょう。

パワハラ発生事案が減らない現状

パワハラが職場の問題になって20年以上経ちますが、今なお管理職研修にパワハラの内容を入れてほしいというご依頼が増えています。

今やどこの会社にもいる「パワハラ上司」や「クラッシャー上司※」。

上司が部下をいじめることは悪質ですが、仕事のできる上司が教育と思ってやった部下指導が、結果的に行き過ぎてパワハラになってしまうこともあります。できる上司ほどパワハラに陥る危険性が高いのです。

なぜ、できる上司がパワハラを起こしやすいのか

上司が部下を嫌っていじめる、あるいはリストラを目的に故意に追い込むパワハラは、上司本人の自覚をともなうものであり、許されるものではありません。一方、厳しく指導するあまりプレッシャーやストレスを与えてしまい、部下が鬱になったり、最悪の場合に自殺に追い込まれたりするケースは、上司にパワハラの自覚がないために、マネジメントの問題として教育に取り組んでいかなければなりません。

クラッシャー上司は、厳しい指導は会社のため、本人のためと思って悪気なく行っています。部下が精神的・肉体的に病んでいることには全く気がついていません。

そうした上司は、能力が高く、モーレツ社員として業績を上げてきた人であることも特徴の一つです。そのため自身の成功体験ややり方、価値観が正しいと思い込み、部下に押しつけて、その通りにやらせようとします。軍隊組織に見られる一方的な指示命令のトップダウンスタイルです。部下の意見を聴かず、価値観や気持ちも理解せずに、自分と同じ型にはめようとすることが問題なのです。

上司のコミュニケーションの在り方が180度変わった!

日本は成長経済から成熟経済に移行するなかで消費者の価値観が多様化し、一方、経営環境はグローバルで激しい変化の波を受けて、ますます先の読みにくいものになっています。今後、企業が存続していくためには、顧客ニーズに即した迅速な対応をとる必要があります。そのためには、顧客の一番近くにいる現場スタッフや実務担当者の情報や多彩な能力、価値観、発想を活かすことが必要になってきます。

組織のコミュニケーションスタイルも、トップダウンからボトムアップという逆の流れが求められます。そのなかで上司も、指示命令する役割から、自ら考え行動する自立型社員を育成し、現場をサポートする役割へと転換していかなければなりません。

人材開発の担当者は、上司の行き過ぎた指導が部下を委縮させていないか、パワーハラスメントに当たっていないかを定期的にチェックし、教育・研修によって正しい知識を確認させ、意識づけを行なう必要があります。

上司のハラスメント チェックリスト

御社の職場では、厳しく鍛えること、叱ることが教育という考え方や風土が、根強く残っていませんか? 上司の指導の在り方を一度チェックしてみましょう。

(1)部下のレベルではなく上司のレベルで考えてしまい、部下に対する期待値が高くなりすぎている
(2)部下のミスやできていないところばかりに目が向いてしまう
(3)プロセスや取り組み姿勢は見ないで、結果だけで評価している
(4)部下の長所を伸ばすことより、欠点を直す指導に陥っている
(5)「仕事は上司を見て覚えろ」「上司のやり方を見て盗め」「空気を読め」と言っている
(6)感情がエスカレートして、「死ね」「辞めろ」など暴言を吐くときがある
(7)あまりにも高い目標や難しい仕事を与えることがある

これら7つの指導法に当てはまるころがあれば、現在の部下指導を見直す必要がありそうです。叱って育てるよりも、ほめて長所を伸ばす教育が主流です。長所が伸びると自然に欠点が消えていきます。

叱る指導を「北風と太陽」の寓話に照らし合わせてみるとよく分かります。北風が旅人の上着を吹き飛ばそうとしたのは、上司が叱ることで強引に人を動かそうとする行為です。反対に、太陽が旅人をポカポカと暖かく照らしたのは、上司が本人の内発的動機で動いてもらおうとする行為です。旅人が上着を脱いだのは、後者であったのは周知のとおりです。

「機嫌悪いオーラ」を出している上司はいませんか?

部下がミスをしたとき、部下から悪い報告を受けたときには、誰しもついカッとなるものです。しかし、イライラすることで「機嫌悪いオーラ(感情)」が出てしまうと、部下は委縮して何も言えなくなってしまいます。上司がイライラすると、部下との人間関係が悪化し、職場の雰囲気が凍りつきます。

上司の感情は、職場風土に大きな影響を及ぼします。上に立つ人ほど、大阪弁で言うところの"いらち"の人が多いものです。"いらち"の人は、それを自覚するとともに、感情コントロールの方法を身につけることが必要です。

最近、管理職研修に取り入れられることが多くなっている「アンガーマネジメント」は、怒りなどのネガティブな感情をコントロールする方法や考え方を教育します。上司の指導に問題がある場合は、ぜひご検討されることをお勧めします。

また、上司の立場の方には、若手社員に自ら歩み寄ってコミュニケーションをとり、彼らの価値観や考え方、育った環境を知る努力が必要です。上司の価値観や考え方、やり方を一方的に押し付けるのではなく、部下の気持ちを分かってあげる、理解するように働きかけるよう意識づけを図りたいものです。

上司の在り方によって、職場風土は大きく変わってきます。ハラスメント防止の教育を徹底することによって、誰もが能力を発揮できる職場づくりを実現していきたいものです。

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増谷淳子 (ますたに・じゅんこ)
株式会社ソフィアパートナーズ 代表取締役。日本航空(株)の客室乗務員として培ってきたおもてなしの心とコミュニケーション力を活かし、企業の人材教育企画、指導、育成に従事。2006年、株式会社ソフィアパートナーズ設立。「人間力教育」により「使命感」「気配り」「感謝の心」を育み、組織に貢献できる社員に導くことを使命とする。教育に関する問題解決のため、「ひと」のマインド&スキルアッププログラム提案、カスタマイズされた誠実な教育には定評があり、リピート依頼も多数。

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