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ビジネスコーチングとは? その目的、メリット、求められるスキルを紹介

2022年7月25日更新

ビジネスコーチングとは? その目的、メリット、求められるスキルを紹介

ビジネスコーチングとは、主に部下・後輩を指導育成する現場マネージャーやOJT推進者がコーチとなり、部下の可能性とやる気を引き出し、彼らの自発的な目標達成をサポートするコミュニケーションです。コミュニケーションには、コーチングの3つの基本スキル、傾聴、承認、質問が使われます。本記事ではビジネスコーチングの概要や必要性を説明するとともに、職場で活用する方法、スキルや資格の取り方などをご紹介します。

INDEX

ビジネスコーチングとは?

コーチング(coaching)は、馬車を意味するコーチ(Coach)から生まれたものです。もともとは、大切な人や荷物を馬車で目的地まで運ぶという意味で使われましたが、そこから発展して、目標にたどり着けるように支援することをコーチングとよぶようになりました。
コーチングは、傾聴、承認、質問などのスキルを使って相手と対話を重ね、相手が本来持っている能力、強み、個性を引き出し、自発的な行動を促して目標達成や問題解決を支援するプロセスをいいます。
そして、ビジネスコーチングは、主に職場で行われるコーチングのことです。上司の指導力やリーダーシップの強化に役立つことから、すでに多くの企業が導入しています。

コーチングはさまざまな分野で求められる

コーチングは、ビジネスだけでなく、スポーツや教育、医療など、さまざまな分野で活用されています。最近では、世界的に活躍するテニス選手のコーチの役割が大きな注目を集めました。スポーツの現場においても、コーチは基本的に指示や命令をするのではなく、選手とのコミュニケーションによって目的を達成させます。

コンサルティングとの違い

コーチングと混同されやすい言葉に、コンサルティングがあります。コンサルティングは、企業や個人が目標を達成するための支援を行うという点では、ビジネスコーチングとの違いがありません。
コンサルティングは、クライアントの問題点について解決策を提供する手法です。一方、ビジネスコーチングは、クライアントとのコミュニケーションにおいて気づきを促し、自発的な行動をとることをサポートする手法です。ここがコーチングとコンサルティングの相違点です。

ティーチングやカウンセリングとの違い

コーチングは、ティーチングやカウンセリングとも異なります。ティーチングは知識や経験をもとに、教え導くことで成長を促す手法です。これに対し、ビジネスコーチングは決まった知識や回答を与えるものではなく、本人の中にある答えを引き出すために対話を行います。

一方、カウンセリングは、クライアントの話を聴くという点でコーチングに似ています。しかし、カウンセリングはクライアントのマイナスの気持ちを改善するための手法であるのに対し、コーチングはマイナスの気持ちもクライアントの要素と考え、気づきや自主的行動に向けた切り口として活用していきます。

ビジネスコーチングの目的とメリット

ビジネスコーチングの目的とメリット

企業がビジネスコーチングを導入する目的は、主に上司などコーチングを行う側の指導力やリーダーシップを高め、部下など受ける側の自発的な行動を促して成果をあげさせることにあります。ビジネスコーチングのコミュニケーションによって、自分で考え答えを出すプロセスを繰り返すことで、主体性を発揮できるようになります。
社員が自発的に行動できるようになり、一人ひとりの仕事のレベルが上がれば、組織の強化につながります。その結果、企業の業績の伸長に貢献できるでしょう。

ここでは、企業がビジネスコーチングを導入する目的やメリットについて、具体的に紹介します。

1.社員の能力を高める

ビジネスコーチングの傾聴、承認といったプロセスにおいて、社員は自己肯定感を高めることができます。今まで気づかなかった自分の可能性を見出すこともあるでしょう。仕事における高い目標を達成するには、今ある力だけでなく、まだ眠っている潜在的な能力を発揮することが求められます。ビジネスコーチングによって、自信をもって行動できるようになれば、チャレンジングな目標にも取り組めるようになり、その結果、仕事の能力を大きく伸ばしていくことが期待できます。

2. 主体性を高めて自発的な行動を促す

ビジネスコーチングは、社員の考えを引き出すことを重視する手法です。コーチが答えを与えるのではなく、自ら解決策を考え、主体性を高めて自発的に行動することを促進します。一人ひとりが自ら考え、行動する習慣を身につけることによって、組織が得られる成果も高まっていくことでしょう。

3.組織力を高める

ビジネスコーチングには、組織力を強化できるというメリットもあります。上司や先輩社員がコーチとなって指導力やリーダーシップを磨き、部下や後輩を高いレベルで指導することで、コミュニケーションが活性化されます。信頼関係が構築され、職場環境もより良好になっていくでしょう。社員同士のつながりが強まり、チームワークが向上して組織の強化を図ることができます。

4.目標を達成する

ビジネスコーチングの最終的な目的は、組織の目標を達成することです。社員の能力やモチベーションを高めることは、生産性向上へとつながります。業績を上げて組織目標を達成することが、ビジネスコーチングの目的でありメリットです。

以下の記事では、企業で実際に行われているビジネスコーチングの事例を紹介しています。ぜひ参考にしてください。
参考記事:ビジネスコーチングの導入事例を紹介! 成功例や失敗例、改善策も解説

ビジネスコーチングのスキルと進め方

ビジネスコーチングにおけるコーチは、相手のことをよく理解し、上手にコミュニケーションを図る能力が求められます。必要なスキルは主に「傾聴」「質問」「承認」の3つです。

傾聴

傾聴とは、単に相手の話を「聞く」のではなく、「相手の気持ちになって話に耳を傾ける」ことだといえます。傾聴を通して相手の心の内が明らかになり、コーチは相手の考えがよく理解できるようになります。傾聴には次のようなスキルが求められます。

・話は途中でさえぎらずに、最後まで聴く
●相手の気持ちに肯定や同意を示すように、話を聴いているときに、適度に相づち、うなずきをはさむ
●話の要点を短くまとめて、繰り返す
●頭ごなしに批判をしない。上からの目線でアドバイスをしない

質問

質問は「なぜ(why)」で始まるのではなく「何(what)」を使うことを意識します。「なぜ」「どうして」は詰問になりますが、「何(what)」は相手に考えさせ、自分で解決策を探るきっかけになります。例えば、「なぜ、うまくいかないのか」という問いよりも「うまくいくためには何をする必要があるだろうか」という問いの方が、前進するための前向きなエネルギーを生み出しやすくなるのです。

また、「限定質問」ではなく「拡大質問」を工夫することも大切です。「何かアイデアがありますか?」といった「ある」か「ない」かで答えるような限定質問をすると、「ありません」と答えられた時点で会話が終了します。これに対して「〇〇君ならどんな方法を試してみますか?」といった具合に、相手の考えを引き出す拡大質問をすることで、「考える力」や「自分の言葉で話す力」を伸ばすことができます。

承認

傾聴から質問を経て、相手が自分のなすべきことを自覚し、前向きに取り組む発言や行動が見て取れたら、コーチはそのことを「承認」し、さらに後押しできるように励ましていきます。承認のポイントは、過去と現在とを比較し、成長した部分を評価すること。そして、具体的な事実や行動をとりあげて承認することです。
たとえば、繰り返し行う業務については、前回よりも上達したことを評価し、「できるようになったね」「上達したね」といった声かけをして、相手のモチベーションを高めていきます。

ビジネスコーチングの基本となるGROWモデル

ビジネスコーチングの進め方は、以下のGROWモデルが基本になります。

●Goal(ゴール)
●Reality(リアリティ)
●Options(オプションズ)
●Will(ウィル)

GROWモデルとは、「Goal」(目標の明確化)→「Reality」(現実把握)→「Resource」(資源の発見)→「Options」(選択肢の創造)→「Will」(目標達成の意志)の単語の頭文字をとったもので、このステップを意識して相手に質問を投げかけていけば、効果的なコーチングができるとされています。

参考記事:問いかけの効果~イノベーションを促進し、部下を育てる

ビジネスコーチングを導入する方法

ビジネスコーチングを社内に導入するには、上司や先輩社員にあたる人材がスキルを習得する、あるいは外部のコーチに依頼するという2つの方法があります。
コーチとしてのスキルを持つ人材を雇用するのも、ひとつの方法です。また、外部からプロのコーチを派遣を受けるという方法では、質の高いビジネスコーチングが受けられるでしょう。
ビジネスコーチングを導入する方法について紹介します。

1.社内の人材がコーチングスキルを習得する

ビジネスコーチングを導入する場合、コーチ役になる社員を育成するという方法があります。コストを抑えながら、社員同士のコミュニケーション活性化や信頼関係の構築ができるというメリットがあります。
スキルを身につけるには、ビジネスコーチング研修を受講するのがおすすめです。会場で受講するものやオンラインで受講するものなど、さまざまな形式があります。

公開セミナー「PHPコーチング研修」は、ビジネスコーチングを初めて学ぶ現場マネージャー、OJT推進者を対象に、部下の可能性とやる気を引き出し、成果につなげるための基礎知識と基本スキルを実践的に学ぶ内容です。ぜひご検討ください。

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2. 外部のコーチに依頼する

コーチングスキルの習得には時間がかかります。有効なコーチングを実施するためには、経験も必要です。短期の研修に参加したからといって、次の日から有効なコーチングができるかというと、そうでもないのが実情です。
ビジネスコーチングを導入して、短期で成果を出したいという場合は、プロのコーチを派遣してもらう方法があります。
また、経営トップや管理職などを対象にしたコーチングを検討している場合は、コーチにより高いレベルのスキルが求められます。そうした場合には、外部のエグゼクティブコーチングを利用することになります。経営層がコーチングを受けることは、企業にとってもメリットが高いでしょう。

エグゼクティブコーチングについては、以下の記事で詳しい内容を紹介しています。
参考記事:エグゼクティブコーチングとは?実施する効果や一般的な流れを解説

「PHPエグゼクティブ・コーチング」はこちら

ビジネスコーチングの資格を取得するには

ビジネスコーチングの資格を取得するには

ビジネスコーチングに国家資格はなく、コーチングを行う際に資格が必要というわけではありません。
しかし、コーチングの資格を認定している民間団体は多く、ビジネスコーチングを受ける側も、民間資格を通して正しいコーチング手法を学んでいるコーチから受ける方が安心でしょう。
ここでは、ビジネスコーチングの資格を取得する方法を紹介します。

セミナーを受講する

ビジネスコーチングの資格を取得するには、民間資格を認定している団体の養成プログラムを受講し、認定を受けるのが一般的です。コーチングの民間資格はさまざまな種類があるため、目的に沿ったビジネスコーチングのセミナーを選ぶようにしましょう。
また、コーチングの基本的な進め方は共通していますが、考え方や手法は団体ごとに異なります。受講内容をよく比較検討して選ぶようにしてください。

ビジネスコーチングを、社内研修に取り入れる方法もあります。以下の記事で詳細を解説していますので、あわせてチェックしてみてください。
参考記事:ビジネスコーチング研修の内容は? 必要性やメリット、選び方を解説

民間のコーチング資格を取得する

ビジネスコーチングの民間資格は数多く、受講期間や受講するプログラムはそれぞれ異なります。
例えば、文科省管轄の機関が認定するコースでは約18ヵ月学び、5名以上へのコーチング実践経験があるなどが資格取得要件です。
また、国際的な民間団体が提供するコーチングプログラムでは、コーチとクライアントの協力関係をどう構築するかに焦点を当てた手法を提供しています。
各団体の内容を吟味し、目的に合うコーチングスキルが学べる民間資格を選びましょう。

まとめ

ビジネスコーチングはコーチングの一分野であり、ビジネスに特化して実施します。コミュニケーションを重ねながら、相手の能力や主体性を高め、生産性の向上につなげます。最終目標は、企業の業績を向上させることです。
上司や先輩社員がコーチになって実施すれば、社内コミュニケーションも活性化するでしょう。社員の能力を高め、生産性向上につなげたいと考える担当者の方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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