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キャリアオーナーシップを実現するための具体的なステップとメリット

2024年11月28日更新

キャリアオーナーシップを実現するための具体的なステップとメリット

キャリアオーナーシップは現代の働き方において重要な概念です。個人が自らのキャリアを主体的にデザインすることによって、企業と個人の両方に多くのメリットが生まれます。本記事では、松下幸之助の考え方にふれながら、キャリアオーナーシップの基本からその具体的な活用方法までを詳しく解説します。

INDEX

キャリアオーナーシップとは何か?

キャリアオーナーシップの定義

キャリアオーナーシップとは、個人が自分のキャリアを主体的に管理し、責任を持つことを意味します。これは、単に仕事を見つけることや転職することだけではありません。自分の強みや弱みを理解し、目標を設定し、スキルを開発し、キャリアパスを計画し、その実現に向けて積極的に行動することを指します。
キャリアオーナーシップを持つ人は、自分のキャリアの舵取りを自ら行い、常に成長を追求する姿勢を持ちます。言い換えれば「自分で自分を経営する」という発想で行動し、成果を上げているのです。

背景と重要性

現代社会において、キャリアオーナーシップはますます重要性を増しています。終身雇用制度が崩壊し、個人が自分のキャリアを積極的に管理する必要性が高まっているからです。
また、テクノロジーの進化やグローバル化によって、働き方や仕事のあり方が大きく変化しています。そうした状況にあって、働く人一人ひとりに、変化に柔軟に対応できる能力が求められているのです。
キャリアオーナーシップは、このような変化の激しい時代において、個人が自分の人生を主体的に生き、充実したキャリアを築くための重要な要素と言えるでしょう。

キャリアオーナーシップのメリット

個人にとってのメリット

キャリアオーナーシップは、個人にとって多くのメリットをもたらします。まず、自分のキャリアを主体的に管理することで、仕事に対するモチベーションやエンゲージメントを高めることができます。自分の目標に向かって努力し、成果を上げることで、大きな達成感を得ることができ、仕事への満足度も向上します。
また、キャリアオーナーシップを持つことで、自分の強みや弱みを理解し、それを活かせる仕事や環境を選択することができます。これは、自分自身の潜在能力を最大限に引き出し、より充実したキャリアを築くために不可欠です。
さらに、キャリアオーナーシップは、自己成長を促進する効果もあります。自分のキャリアを積極的に管理し、常に学び続けることで、新しいスキルや知識を習得し、自己成長を続けることができます。

企業にとってのメリット

キャリアオーナーシップは、企業にとっても多くのメリットをもたらします。従業員が自分のキャリアを主体的に管理することで、企業へのエンゲージメントや帰属意識を高めることができます。従業員が自分のキャリアを積極的に考え、成長を追求することで、企業への貢献意欲も高まり、組織全体の活性化につながります。
また、キャリアオーナーシップを促進することで、従業員の能力開発を促進し、人材育成の効率を高めることができます。従業員が自分のキャリア目標を明確にし、必要なスキルを開発することで、企業にとって貴重な人材へと成長します。
さらに、キャリアオーナーシップは、従業員の定着率向上にも貢献します。従業員が自分のキャリアを主体的に管理し、企業で成長を実感することで、企業への愛着が深まり、定着率が向上します。

参考記事:なぜ、中堅社員研修でキャリアビジョン(プラン)を描かせる必要があるのか?│PHP人材開発

松下幸之助が提唱した「社員稼業」の考え方

経営者の持論に学ぶ

弊社創設者(パナソニックグループ創業者)である松下幸之助は、今から50年前に、キャリアオーナーシップについて「社員稼業(しゃいんかぎょう)」という言葉で表現していました。幸之助の著書『社員稼業』の前書きには次のような一節があります。

『社員稼業』という言葉は、あるいはききなれない言葉かとも思うが、その意味するところ、一言でいうなら、会社に勤める社員のみなさんが、自分は単なる会社の一社員ではなく、社員という独立した事業を営む主人公であり経営者である、自分は社員稼業の店主である、というように考えてみてはどうか、ということである。(中略)そうすれば、単に月給をもらって働いているといったサラリーマン根性に終わるようなこともなく、日々生きがいを感じつつ、愉快に働くこともできるようになるのではないか

『社員稼業』松下幸之助著(1974年刊・PHP研究所)

松下幸之助が提唱した「社員稼業」とは、一言で言えば「自分で自分を経営する」、「自営業者の感覚」をもつということです。
自分が、何らかの商売をしている経営者であるとすれば、他に依存することもなく、すべての結果に責任を負う覚悟が生まれます。企業で働く一人の従業員であっても、「社員稼業」の実践を目指すのであれば、自らのキャリアビジョンを自分で描き、その実現のために主体的にスキルアップを図っていく気概をもつことができます。
また、「社員稼業」の根底には、一人ひとりが「仕事や人生の主役は自分だ」という自覚を持てば、個人の成長・組織の発展が実現するというメッセージが込められています。働く場所も時間も一層多様化する時代に必要な働き方とは、「自分で自分を経営する」という発想で行動し、成果を上げ、自律的にキャリアをつくることなのです。

キャリアオーナーシップを促進する方法

研修プログラムの導入

人材開発部門では、従業員のキャリアオーナーシップを促進するために、研修プログラムの導入を検討することが重要です。研修プログラムは、キャリアプランニング、自己分析、目標設定、スキル開発、自己啓発など、従業員が自分のキャリアを主体的に管理するために必要な知識やスキルを習得する内容にします。研修プログラムは、外部機関に委託したり、社内研修として実施したりすることができます。
また、研修内容や形式は、企業の規模や業種、組織の課題、従業員のニーズに合わせて柔軟に設計する必要があります。

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定期的なキャリア面談

定期的なキャリア面談は、従業員のキャリア目標や成長を把握し、サポートするために不可欠です。面談では、従業員のキャリア目標、スキル開発の状況、キャリアパス、仕事に対するモチベーションなどを話し合い、具体的な目標設定や行動計画を支援します。また、面談を通して、従業員のキャリアに関する悩みや不安を解消し、安心して仕事に取り組める環境を提供することも重要です。
キャリア面談は、上司と部下の1on1ミーティングで取り上げられることがあります。キャリアオーナーシップを促進するためには、部下が安心して相談できるよう、1on1を実施する上司への教育・研修が欠かせません。
また、キャリア面談は、上司・部下間で行うだけでなく、人事担当者やキャリアカウンセラーとの面談も有効です。

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キャリアオーナーシップの導入例

成功事例

多くの企業が、キャリアオーナーシップを導入し、成功を収めています。
例えば、あるIT企業では、従業員一人ひとりのキャリア目標を明確化し、その目標達成を支援するプログラムを導入しました。このプログラムでは、キャリアカウンセラーによる個別面談や、スキルアップのための研修プログラムを提供しています。その結果、従業員のエンゲージメントや帰属意識が向上し、企業業績も向上しました。
また、ある製造業の企業では、従業員が自分のキャリアを主体的に管理できるよう、キャリアパスを可視化し、キャリアアップのためのロードマップを提供しています。従業員は、自分のキャリアパスを明確に理解することで、目標に向かって努力し、成長を実感しています。

導入の際の注意点

キャリアオーナーシップを導入する際には、いくつかの注意点があります。まず、従業員が自分のキャリアを主体的に管理できるよう、適切な制度や環境を整えることが重要です。例えば、キャリアプランニングのためのツールや情報提供、スキル開発のための研修プログラムなどを提供する必要があります。
また、従業員が自分のキャリアについて自由に相談できる体制を整えることも重要です。前述の1on1ミーティングのように、上司や人事担当者との定期的な面談や、キャリアカウンセラーの利用などを検討する必要があります。
さらに、キャリアオーナーシップは、従業員一人ひとりの個性や能力を尊重することが重要です。従業員が自分の強みや弱みを理解し、それを活かせる仕事や環境を選択できるように、サポートする必要があります。

参考記事:若手社員研修で使えるキャリアプラン作成シートの雛型を紹介│PHP人材開発

まとめ:キャリアオーナーシップの未来

キャリアオーナーシップは、個人が自分のキャリアを主体的に管理し、責任を持つことで、より充実した人生を送るための重要な要素です。企業にとっても、従業員のキャリアオーナーシップを促進することで、人材育成の効率化や組織活性化、定着率向上など、多くのメリットが期待できます。
キャリアオーナーシップの重要性については、経営の神様と呼ばれた松下幸之助も、今から50年前に「社員稼業」ということばで著書に著していました。
今後、ますます変化の激しい時代を迎える中で、キャリアオーナーシップは、個人と企業の双方にとって不可欠なものとなるでしょう。

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