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1on1ミーティングとは? メリットや成功させるポイントを解説

2022年6月 9日更新

1on1ミーティングとは? メリットや成功させるポイントを解説

1on1ミーティングとは上司と部下の定期的な話し合いのことです。部下が主役となってコミュニケーションを図りながら、信頼関係を築きます。ここでは1on1ミーティングの目的や実施方法について解説するとともに、成功のためのポイントや課題についてもご紹介します。

INDEX

1on1ミーティングとは?

1on1ミーティングにはさまざまな定義がありますが、PHP研究所では「部下の行動の振り返りを、上司と部下がペアで行い、お互いの成長につなげる人材育成の手法」と定義づけています。この定義が示すように、1on1ミーティングの目的は部下の成長支援であり、そのための手段として面談を繰り返していくのです。1on1ミーティングの内容と目的について、詳しく見ていきましょう。

部下の成長支援

1on1ミーティングは、隔週から月1回程度、定期的に行われます。1on1ミーティングの大きな目的は「部下の成長支援」ですので、上司と部下に信頼関係があることが前提であり、部下が心を開き安心して話せる環境が求められます。
部下が「何か意見を言ったら叱られるかもしれない」と思っていたり、あるいは、お互いに相手をよく知らない、あるいは快く思っていない場合、1on1は有意義なものにはなりません。

目的と評価面談との違い

1on1ミーティングと同じく上司と部下が定期的に行うミーティングには、人事評価の面談があります。評価面談は、一般的に、6カ月から1年に1回行われます。期初にたてた計画や目標に対する達成状況や成果を振り返るとともに、人事評価を伝え、業務上の課題を共有して、今後の目標設定や能力開発につなげていきます。
このように評価面談は、あくまでも上司からの目線で行うもので、1年たつ間に上司も部下も目標を忘れてしまい、意識もされず、形骸化してしまうという問題がありました。
これに対し、1on1ミーティングは部下の自主的な行動を促すためのコミュニケーションであり、部下が主役です。部下がテーマを設定し、改善策を見出して実践につなげていきます。週1回〜月1回程度と短いサイクルで行うことから、上司ー部下間の信頼関係が深まることにもつながり、双方の成長を実現しやすいという点が特徴です。

1on1ミーティングが注目される理由

1on1ミーティングが注目される理由

近年は大企業を中心に、1on1ミーティングを取り入れる企業が増え、実に7割近い企業が何らかの形で導入しているという調査結果(※1)もあるほどです。なぜ1on1ミーティングがここまで注目されているのでしょうか。その理由や背景をみていきましょう。

※1 「1on1ミーティング導入の実態調査」(リクルートマネジメントソリューションズが、2022年1月に全国の企業の人事担当者936 名に対して実施した調査)

ビジネス環境の変化が激しいこと

近年はグローバル化、デジタル技術の進化などによりビジネス環境の変化が激しく、現場を担当する社員一人ひとりが主体性や創造性を高め、変化に柔軟に対応することが求められています。
ひと昔前までは、管理職(上司)が経営情報や、そこから導き出される正解を持ち、それを部下に伝えて実行させるという上意下達の方式で仕事が成り立っていました。しかし、変化のスピードが速く、過去のデータや経験から正解を導き出すことができない状況においては、現場で仕事をする社員一人ひとりが、それぞれの立場で状況を分析し、お互いにコミュニケーションをとりながら問題解決の方法を考え、正解を模索しなければなりません。
一方、働き方改革やリモートワークの浸透によって、上司と部下がコミュニケーションをとる機会は減っています。そのため、1on1ミーティングといったコミュニケーションの機会を会社側が提供し、組織の求心力を上げるよう取り組む必要があるのです。

人材不足が加速していること

近年は少子高齢化により、多くの企業が人材不足に悩んでいます。優秀な人材の定着率を高めるには、上司ー部下をふくめた職場の人間関係を良好にすることが不可欠です。1on1ミーティングを取り入れることによって上司と部下の信頼関係が高まれば、リテンションにも有効といえるでしょう。
また、ジョブ型雇用を採用する企業が増えていることも、1on1ミーティングが導入される背景のひとつです。ジョブ型雇用では、キャリアを自分主導で考え、主体的に能力を高めていくことが求められます。キャリア自律の考えを部下に浸透させるためにも、1on1ミーティングは役立っているのです。

1on1ミーティングのメリット

1on1ミーティングを行うことで、いくつかのメリットが得られます。メリットを整理しておきましょう。

1.上司―部下間の信頼関係が構築される

部下は上司に対して距離を置く傾向があります。世代が離れていたり、リモートワークで顔を合わせて仕事をする機会が少なかったりすると、なおさらその傾向は強まるでしょう。1on1ミーティングを実施することで、部下は「上司は自分の声に耳を傾け、成長を支援してくれる」と認識し、上司に対しての信頼感が高まります。上司も、部下の考え方や価値観を理解し、また若い世代から学ぶことも多いことから、部下との距離は縮まり、コミュニケーションがスムーズになっていきます。上司ー部下の信頼関係を構築して、チームのパフォーマンスを最大限に高める。これが、1on1の大きなメリットといえるでしょう。

2.部下の成長が加速する

1on1ミーティングで上司に話を聴いてもらい、自分の取り組みを承認し、支援してもらうことによって、部下の仕事へのモチベーションが高まります。仕事に対し意欲的に取り組むことで、自発的な成長が促されるでしょう。
また、定期的な面談の場で仕事の状況を上司に伝えることで、問題の早期発見と解決が可能になり、部下の成長が加速します。仕事への充実感が高まり、エンゲージメントが向上すれば、離職率の低下にもつながるでしょう。

1on1ミーティングの行い方

1on1ミーティングの行い方

1on1ミーティングは「事前準備」⇒「面談」⇒「事後の行動」の3ステップととらえ、上司・部下双方がペアで取り組む必要があります。特に面談の前と後のプロセスを軽視していると成果が上がらないことが多く、注意が必要です。

また、準備の段階で、自社の1on1ミーティング実施の目的を、上司・部下双方にしっかりと伝えておきましょう。目的を腹落ちさせておかないと「人事に言われたからやっている」「忙しいなかで時間がとられる」というようにネガティブな気持ちでの取り組みになってしまい、効果が見込めなくなります。

各ステップを順にみていきましょう。

準備

【部下】これまでの仕事を振り返り、話す内容を事前に決めておきます。
【上司】部下の仕事について情報収集を行います。

面談

部下が決めてきたテーマについて、上司・部下が一緒に振り返り、次の行動の指針を決めます。上司側の面談の手順とポイントをご紹介します。

(手順1)握る

1on1の面談では、最初に部下が話したい内容を聞き出し、その日のテーマを共有します。上司と部下がしっかりとテーマを把握することで、有意義な話し合いが可能となります。

(手順2)聴く

上司は「部下がどんな経験をし、何を学んだのか」について、具体的な振り返りを促します。その際、途中で口をはさんだりせず、部下の話を徹底的に「聴く」ことが非常に重要です。

(手順3)行動づくり

部下の話を聴き終えたら、その内容をもとにして、「部下が次に行うべき行動」を決めていきます。効果があった行動をより効果的に改善したり、課題に対して新しいアプローチを検討したりするのです。

(手順4)ねぎらう

最後に必ず部下をねぎらいます。部下に承認と感謝を伝えつつ「これから一緒に頑張っていこう」という雰囲気づくりをするのです。「一緒に頑張る」気持ちを表すことが大事なポイントになります。

3.行動

【部下】面談で決めた行動を実践し、次の面談に向けて行動を振り返ります。
【上司】部下の行動をサポートします。次の面談に向けて部下の行動を振り返ります。

1on1ミーティングは継続することによって、より効果が上がりますので、手順を工夫しながら長く続けることが大切です。

参考記事:1on1成功のポイント~心理的安全性と上司の「聴く」スキル

1on1ミーティングのテーマは?

1on1ミーティングのテーマは、仕事の課題からプライベートに関することまで、幅広い内容になります。ただ、単なる雑談になってしまっては部下の成長支援という目的を達成できません。上司と部下の相互理解や部下の育成、エンゲージメントの向上といった1on1ミーティングの目的を達成できるよう、事前に具体的なテーマを決めて取り組む必要があります。
テーマの決め方については、以下の記事が参考になります。

参考:1on1で話すことのテーマはどう決める? 選び方と具体例を紹介

オンラインで1on1ミーティングを行う場合

テレワークを導入している会社では、オンラインで1on1ミーティングを実施するケースもあるでしょう。目的の周知や事前準備は、対面で行う場合と同様です。また、オンラインの場合はできるだけ音声や映像が安定しているツールを選び、ネットワーク環境を良好にして行うことが大切です。

オンラインで1on1ミーティングを実施する際のポイントは、以下の記事が参考になります。
参考:1on1をオンラインで成功させるポイントとは?

1on1ミーティングを成功させるポイントと必要な取り組み

1on1ミーティングを成功させるポイント・必要な取り組み

1on1ミーティングを成功させるため、押さえておきたいポイントは以下の4つです。順に解説していきます。

  • 目的を明確にすること
  • 継続して取り組むこと
  • 上司は傾聴に徹すること
  • 人事部門がサポートを行うこと

目的を明確にする

1on1ミーティングを導入するにあたっては、上司と部下それぞれが目的を十分理解していなければなりません。目的が曖昧な状態だと、何のために時間をとって行っているのかわからなくなり、成果が得られなかったり、継続が難しくなったりしてしまいます。経営者、あるいは事務局となる人事部、人材開発担当セクションから、実施前に自社における目的と重要性を説明する機会を設け、上司・部下ともに腹落ちさせておく必要があります。

特に、お互いの信頼関係を築くこと、上司は部下の成長を支援すること、部下は自身の能力開発やキャリア形成に活かすことを意識して、意義を説明するといいでしょう。

継続して取り組む

1on1ミーティングの効果は短期間では現れません。一定間隔で継続し、コミュニケーションを習慣化させることが必要です。継続することによって、部下が上司に気軽に相談したり、自分の意見を伝えたりする職場風土が醸成され、「心理的安全性」が高まることが期待できます。

そのような効果を実感できるまでには、早くても数ヵ月はかかります。業務の忙しい曜日や時間帯を避けるなど、実施のハードルを下げて、習慣化するとよいでしょう。

上司は傾聴に徹する

評価面談では上司が主体となりますが、1on1ミーティングは部下が主役です。上司は指導ではなく、傾聴を意識しなければなりません。1on1ミーティングで重要なのが、上司の傾聴スキルです。さらに、部下の話を上手に引き出して解決へと導く「コーチング」のスキルも求められるでしょう。

とはいえ、上司はプロのコーチではありません。高度なスキル習得を課すなどで実施のハードルを上げてしまうと、忙しい現場の上司にとっては継続が難しくなってくるでしょう。「最初はとにかく部下の話をひたすら聴く。それだけを意識する」というように、上司側のハードルを下げることも必要になってきます。

人事部門がサポートを行う

人事部門は1on1ミーティングに関する研修を開催し、ロールプレイングなどを通して1on1がスムーズに行えるよう支援します。実施している上司・部下の声を聞きながら、必要に応じて、事前準備に必要なテンプレートや参考になる映像教材などを提供して、継続的にサポートをする役割を担います。
フォローアップ研修を開催してスキル向上を図ったり、1on1を実施する時間・場所などを調整したりといったサポートも有効です。 一定期間、実施したら、効果測定も忘れずに行いましょう。

1on1ミーティングの実施例

1on1ミーティングを成功させるポイントは、実際に取り組んでいる企業事例から学ぶことができます。成功事例、失敗事例をご紹介します。

成功事例と失敗例

先進企業の成功事例では、その場限りのミーティングだけで終わらないよう、ミーティング後の現場実践に関して上司がしっかり支援し、継続してサイクルを回しています。

一方、失敗するケースにありがちなのが、仕事が忙しいことを理由に継続して実施できていない、話すことがなく雑談タイムになってしまう、上司が説教ばかりするといった事例です。

成功例・失敗例については以下の記事で詳細に紹介しています。ぜひ参考にしてください。

PHPカンファレンス「1on1の失敗学 2021」ダイジェストレポート│無料ダウンロード
パナソニック、きらぼし銀行が取り組む「1on1」~企業事例
失敗から学ぶ「1on1」の成功法~中原淳
こんなにある!「1on1」の失敗事例。その原因とは?

1on1ミーティングの課題と改善方法

1on1ミーティングを成功させるには、失敗しやすい原因や課題について把握し、その改善方法を知ることが大切です。 次の代表的な課題について改善方法を見ていきましょう。

  • 上司・部下が目的を正しく理解していない
  • 上司と部下がイメージを共有できていない
  • 事前準備や事後の実践ができていない

課題1:上司・部下が目的を正しく理解していない

1on1ミーティングの成果を上げるためには、目的を理解することが重要です。しかし事務局となる人事部門や経営者が、実際に1on1ミーティングを実施する上司や部下に、目的をしっかり説明せずに始めさせてしまうという失敗例があります。
「社長から1on1をやれと指示があったから」「他社で効果があったといわれているから」といった曖昧な説明では、1on1ミーティングの重要性を理解できず、実施する上司のほうも「忙しいのに面倒」「人事が1on1をやれというからやっている」という気持ちになってしまうでしょう。

目的を伝えるには、以下のように、3つのWhyと1つのWhatを使うことが基本です。4つの要素でしっかりと目的を伝えていきましょう。

  • なぜやるのか?(Why do?)
  • なぜ今なのか?(Why now?)
  • なぜ私たちなのか?(Why us?)
  • 行うことでどのような利益があるのか?(What's merits?)

上司に対しては経営の観点から優秀な人材を確保するというメリットを伝え、部下には能力の向上やキャリア形成など、自分にとってのメリットを伝えることがポイントです。

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課題2:上司と部下がイメージを共有できていない

1on1ミーティングを導入する場合、上司も部下も初めてのコミュニケーションスタイルということで明確なイメージを持ちづらいという課題があります。特に面談の進め方については、共通したスクリプトを用意して、イメージを共有する取り組みが必要です。
面談の成否を上司側の力量にゆだねすぎてしまうと、うまくいかないものです。部下への1on1教育も事前にしっかり実施し、上司と部下が共に推進していくイメージで取り組むようにするといいでしょう。

部下向けDVD教材『経験を成長につなげる1on1』デモムービーはこちら

課題3:事前準備や事後の行動ができていない

1on1ミーティングは面談を行うことが目的ではなく、前述のとおり、「事前準備」⇒「面談」⇒「事後の行動」の3ステップを繰り返すことで成果が得られます。特に、面談で何を話すかについては、部下側で事前に考える必要があります。準備シートを提供するなどで、しっかりと準備をしてもらいましょう。
準備シートの雛型を用意していますのでご活用ください。

参考記事:成功する1on1のために部下がやっておくべき「これだけのこと」~部下向け準備シート例

まとめ

部下の成長支援や組織活性化の手法として注目を集める1on1ミーティング。上司と部下が定期的な面談の場でコミュニケーションを図りながら信頼関係を築いていきます。
1on1を成功させるためには、全社的な取り組みとして目的を周知し、上司と部下がイメージを共有して取り組むことが大切です。また、実際の取り組みでは、面談だけでなく、事前準備や事後の実践活動にも注力する必要があります。人事部門では、現場の上司・部下の声を聞きながら、スキル習得のための教育研修の機会を設けたり、資料の提供するなどのサポートを行いつつ、継続して取り組んでいけるよう支援していく必要があります。

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